Netflix「After Life」で学ぶイギリス英語 その4

イギリス英語

yaozoです。

ちまたで言われるほど、イギリス英語は簡単ではない、という私の主張の3点目の根拠としてあげたいのは、これが実に逆説的な話なのですが、「イギリス英語は、アメリカ英語に比べて『カタカナっぽい』ので簡単そうに思える」という、私たちの思い込み自体です。

前回の投稿は、以下をクリックしてご覧いただけます。

https://yaozo100.com/post-869/

 

ちなみに、私のブログで一番読まれているページは以下の英検1級関連ページです。よろしければ、覗いてみてください。

50歳過ぎたシニアが、1年で英検1級に合格しTOEIC975点を取るまでの軌跡

 

お勉強バージョンのイギリス英語の弊害

あくまでも、「ゆっくりバージョンの、RPイギリス英語」は、「ゆっくりバージョンの、アメリカ英語」に比べて聞き取りやすいため、英語学習の教材などで勉強していると、イギリス英語の方が簡単だという錯覚に陥ってしまいます。

この点こそが、かえって私たちのイギリス英語学習の妨げになっているのではないかというのが私の考えです。

イギリス英語は、学習教材ではよく聞き取れるのです。聞き取れると誰でも嬉しいものですので、「じゃぁ、イギリス英語でいこう」となりやすい傾向があります。

しかし、現実にイギリス人と話す場面になれば、RPであれ、どこかの方言であれ、そんなにゆっくり話してくれません。外国人に日本語を教えた経験のある方ならわかると思いますが、母国語を話そうとするとスピードを落とすのが大変難しいですね。最初はゆっくり話していても、ちょっと気を抜くとすぐにネイティブのスピードになってしまい、相手が聞き取れなくなってしまいます。

当然イギリス人が私たち日本人と英語で話す際にも、同様のことが起こります。

対面の場合、私たちの顔を見れば、イギリス人でないのは明らかです。電話の場合なら、こちらの発音がネイティブではないので、自分の話し相手がネイティブではないことは、彼らも頭ではわかっているわけです。

しかしながら、最初はゆっくり、できるだけRPな感じで話しはじめても、ほとんどの人は知らず知らずのうちにネイティブなスピードになっていきますし、自身が元々RP話者でない方の場合は、元のアクセントに戻っていきます。

で、自然とこちらが聞き取れない言葉が出てくるので、相手に聞き返しますね。すると、「あ!そうだった」とまたゆっくりバージョンのRPに戻してくれるわけです。

ところが、数分もたたないうちに、話の内容に集中するあまり(話の内容を話すのが目的ですから、いわば当然のことですね)、またネイティブなスピードのアクセントありバージョンのイギリス英語に戻っていき、それをまたこちらに制せられて...(以下繰り返し)、となります。

地の話し方に戻ってしまうというのは、いわば人が会話をするという本質の問題に起因する当たり前のメカニズムであり、「英語を教えること自体が目的であり、当面そのコンテンツは問題とされていない」というシチュエーション(英会話スクールの教室内など)以外でなら、そうなってしまう方が自然でしょう。

「イギリス英語の方が簡単かも!」と思って学習していると、まずリスニング面で上のような問題にぶつかります。

 

「car」ですら、すでに難しいイギリス英語

そして、たとえば前の投稿でもあげた「car」のような単語に顕著なのですが、アメリカ英語は「kάɚ」となるので、rhoticの「r」=「ɚ」が入っていることから、カタカナで表現しにくいという点について、私たち日本人の英語学習者もイギリス英語の場合に比べて自覚しやすいです。なので、自分の発音がうまくできていない点について、常に意識を保てるため、「カー」のように、一所懸命「r」音を真似しようと頑張るわけです。

ところが、イギリス英語のRPの場合は、kάː」なのでɚ」が入っていないことから、本当はアメリカ英語同様、カタカナでは表現できないにもかかわらず、カタカタ表現できる簡単な発音のように誤解してしまうのです。

そこでまず起こる問題が、どうしても子音の「k」が弱くなるという点です。この出だしの「k」の音が弱すぎて、日本語の「か~」のように発音してしまっているにもかかわらず、本人が自覚できないということになります。

加えて、子音の「k」だけでなく、母音の「άː」がまたやっかいです。これは、日本語の「あ~あ、がっかり」などというときの「あ~」とは違う音なのですが、その意識がどうしても維持できず、ついつい「か~」などと発音してしまいます。

この「」の音は、「あ」よりもかなり口を広く大きく明けないと出ない音ですので、慣れてくれば、全く違う音の出し方をしなければならないことが体感的にわかるようになるのですが、はじめの頃はどうしてもこの種の思い込みから逃れられません。

 

とこのような根拠からイギリス英語は決して簡単ではないと考えていたわけです。

そして、このようなことを常々思っていた私は、全く同じことを指摘しているネイティブの方の動画で見つけて、あぁ、やっぱりそうなんだぁ、と強く同感し、「イギリス英語は簡単じゃない」という考えに、より強く自信を持ったたわけです。

イギリス英語の落とし穴!?日本人には難しい発音(6:09)

この方は、「井上ジョー」さんという日系アメリカ人のミュージシャンです。生まれも育ちもLAで、アメリカ英語のネイティブですが、日本語が完全にネイティブで、言語の才能が超絶的な方だと思います。別の言葉もいくつかお話しされるようです。

この動画の中で、まさに「car」や「forever」を例に出して、イギリス英語の難しさについて説明してくれています。

内容は大変わかりやすく、また英語ネイティブであるため信ぴょう性も高く、具体例をあげるとともに、彼のキャラクター特有の毒のある表現などもあって、大いに納得した動画でした。ちなみに、理由はわかりませんが、この動画では上半身裸で撮影されていますので予めご承知おきください。内容はいたってまじめで、大筋は以下のようなことをおっしゃっています。

  1. イギリス英語を「カタカナ読みに近い」と誤解し、安易な選択肢としてイギリス英語を選ぶ日本人がいる
  2. しかし、イギリス英語の方が、練習して流ちょうになっても、どうしても「日本人感」が消えにくい(と感じる)
  3. アメリカ英語の方が練習の目的を明確に意識しやすい
  4. つまり、イギリス英語は、日本語と似ているという思い込みを持ちやすいため、むしろ難しい
  5. よって、アメリカ英語を先にやっておいた方が良い → 「car」の場合の「r」のように、まずはあるものを練習して意識してできるようになった後に、そこから変化させる方が良い。あるものを抜く方が簡単だから

特にάː」の音に関しては、イギリス英語話者は、(私たちには想像しにくいのですが)最後の「r」の文字を意識している、という主張にも感銘を受けました。だからこそ、単純な「あ~」にならずに、独特な音の出し方をしているのではないかとのこと。あくまでもご本人はイギリス英語ネイティブではないので、と留保付きでのお話ですが、実に説得力のあるお話で、大変勉強になりました。

イギリス英語の訓練としてのアメリカ英語!?

 

私は、一旦納得がいくと実に簡単に自説を曲げる人間なので、この動画を見てからというもの、「イギリス英語をうまくなるために、アメリカ英語を練習しよう」と、やや屈折した方法論ですが、日夜発音や聞き取りの勉学に励むようになりました。

現状はまだまだはじめたばかりなので、英語話者と話す際に、かえって「イギリス英語風」と「アメリカ英語風」の発音が混ざってしまったりして、よけいに相手を戸惑わせるような状態になっているように思いますが、どうせこれから留学なんてできませんし、国内でやれる範囲のことしかできないですから、恥ずかしいだなんだと言ってる余裕はありません。

というわけで最近の私は、「After Life」のようなドラマを楽しみながら見つつも、「一生見ないんじゃないの」などと思っていた「24(トゥエンティフォー)」もたまに見たりして、おそらくはド直球のアメリカ英語を話していると推察される、Kiefer Sutherlandの発音に耳を澄ませるようになってきたわけです。

同じアメリカの大ヒットドラマの中では、「The Mentalist」が断然好きなのですが、主演のSimon Bakerはオーストラリア人(劇中ではアメリカ人役)ですし、脇を固める刑事役の1人Owain Yeomanはウェールズ出身のイギリス人俳優(同じくアメリカ人役)ということもありますので、たぶん全員ベタなアメリカ人だらけであろう「24」の方がアメリカ英語の勉強には向いているのかも、などと思ったからです。

イギリス英語は簡単ではないという話にそれて長かったので、次はそろそろ「After Life」本編での気づきに戻って投稿したいと思います。

 

 

おまけ:イギリス英語学習について

英語学習については、高額なスクールに通う前に、かなり計画的に学習誘導してくれるような、自学ツールでコツコツやるのも一つの手ではないでしょうか。 ちなみに、うちの中一の娘はこれで英語頑張ってます。

 

また、イギリス人が普段の生活で話している英語を実際に「手加減なし」で聴き取って理解したい、という方には、「生のイギリス英語を現地の生録音」を使ってしっかりと「精聴」しよう、というコンセプトで作られている↓の2冊がおすすめです。

小川直樹さんと川合良平さんというに2人による、どちらかというと文化人類学的なフィールドワーク的アプローチの「現地語採取」に近い感じで、今のイギリス英語(話し言葉)を記録し、それを文字に起こし、そして解説する、という極めて面白い企画です。

まぁ、もちろん一発目は、音声だけ聞いて自分がどれくらい聴き取れるかやってみるんですが、インタビュアーがペラペラなので、対象のイギリス人もそりゃもう普通に、言葉につまったり、省略したり、訛ったりして、全く普段通りに話してくるので、わからない箇所が多いです。それを、しっかり聴き取れるプロが、文字に起こしてくれてるわけなので、「へ~なるほど、そうやっていってるのか。わかんなかったよ」というAHA体験が味わえます。

私にとっては、大変貴重なイギリス語学習の教材です。

RedとBlueがあります。



 

また、私も大好きな「シャーロック(カンバーバッチ版)」でイギリス英語にしびれた、という人も多いと思うのですが、ファンの方にもそうでない方にも、マンガでバイリンガルでシャーロックのシーズン1の3作を再現してくれている↓の3冊が超お勧めです。

大昔、ピーナッツ(スヌーピー)のバイリンガルマンガが好きで一所懸命読んで勉強したことを思い出す。

今考えると、子供用とはいえ、学校では習わない結構難しい表現が多くて苦労しました。というより、子供用だからこそ、我々が学校で習わないような「生っぽい」英語が多いので、知らない表現が多かったですね。

とにかくマンガで勉強というのは、現代の学習方法としては最も優れたものの1つですからね。

気になったセリフ回しがあって、対訳だけでは物足りない方は、そこだけネットサーフィンして徹底的に深堀りすると言った学習方法も楽しいですね。私は結構やりました。発見が多いですよ。

個人的には、「シャーロック」はシーズン1が最高の出来栄えだと思っているので、この3作だけでいいのではないかと思います。あくまで、個人的にはですが。

寝ころびながらのイギリス英語学習、いかがでしょうかね。




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Posted by yaozo