映画監督ジョー・ライト、『ハンナ』について語る(インタビュー記事全訳)

イギリス英語, ドラマ・映画

私の大好きな映画『ハンナ(2011年)』を監督したイギリス人監督ジョー・ライトがイギリスの『テレグラフ・オンライン(2011年4月22日記事)』に応じたインタビューを、日本の『ハンナ』ファンの方向けに全訳してみました。

Joe Wright interview on Hanna ;The telegraph

※あくまでもファン向けの情報共有ですので、ライツ・バイオレーションの意向は全くありませんので、問題あれば削除しますので、関係者の方はお申し出くださいませ。

 

ジョー・ライト『ハンナ』を語る

『つぐない』のディレクター、ジョー・ライト、ジョンヒスコックに、子供時代の体験が新作『ハンナ』に与えた影響を語る。

↓トレイラー映像

https://www.telegraph.co.uk/culture/culturevideo/filmvideo/cinema-trailers/8309386/Hanna-trailer.htm

※トレーラーは何種類もありますが、このバージョンもしびれます。

ジョー・ライトは自身の学生時代を振り返り、読み書きできず、バカ呼ばわりされたことが、文学作品を映画化して賞を獲得するような映画監督になるのに、役に立ったことを強く確信している。「デスレクシア(識字障害)と診断された学生であれば、周りからバカだと呼ばれるし、いつも自分でも自分をバカだと感じていました。同時に、バカではないと証明したかったのです」と語る。

彼の処女作である『プライドと偏見(2005年)』は、オスカーにノミネートされ、第2作の『つぐない(2007年)』は6つのノミネートを受けた。実在するホームレスのバイオリニストを描いた第3作の『路上のソロイスト(2009年)』は前2作ほどでの評判ではなかった。

「自分のディスレクシアは、自身の映画技術の開発に関して重要な部分を占めていると考えています。なぜなら、読み書きできないために、知識はそれ以外の方法で得る必要があったあたため、映画をよく見たのです。映画には、書かれた文字と違って、意味のあるパターンを発見することができます。」

38歳のライト監督は、あまり言いにくそうとつとつと話しながらも、言葉を慎重に選び、自信をのぞかせています。「今でも健常者に追いつくように努力を欠かしません。そしてそれは、私が自分のキャリアを自己教育の機会という風に見ている面もあり、映画は学習の機会になっているので、それが、私がしばしば文学作品の映画化を手掛ける1つの理由になっているかと思います」



 

『ハンナ』あらすじ

彼の最新作『ハンナ』は、オリジナル脚本による冒険スリラーであり、米国で公開されたばかり。この作品は、北フィンランドの凍土で、元CIAの父(エリック・バナ)に育てられ、百科事典とおとぎ話本だけで教育されている10代の少女(シアーシャ・ローナン)の物語である。彼女は、ハンティング、格闘技、そして完全な殺し屋としての訓練を受け、父のミッションを達成すべく外の世界に送り出される。そして、ヨーロッパを渡り、非道なCIAエージェント(ケート・ブランシェット)によって彼女を亡き者にすべく送り込まれるエージェントに追われることとななる。2,500万ポンド(約30数億円)の予算で、ドイツ、フィンランド、モロッコを回っての撮影は、ウエイトのそれまでの作品と比べると厳しいタスクである。しかし『プライドと偏見』や『つぐない』でもそうであったように、力点は強い女性キャラクターを描くことであり、予算は、長く邪魔されることのないトラッキングショットを撮影するために効果的に使われた。

『つぐない』のスター、シアーシャ・ローナンは、ライトが監督に選ばれる前にすでに決まっていました。実施、彼女はライトを監督に推薦した。

「で、私は台本を読んで、シアーシャとまた仕事ができることに特に関心がわきましたし、私自身のコンフォートゾーンの外に出てチャレンジすることは興味深い機会だと考えました」と語る。

 

フェアリーテール(おとぎ話)の定義

彼はすでにケート・ブランシェットと、エドゥイナ・マウントバッテン(20世紀初頭のイギリスの社会活動家)に関する映画について議論を進めていたのだが、そのプロジェクトがとん挫したこともあって、ブランシェットを『ハンナ』にキャスティングした。「僕は、ケートが、セクシーな魔女的な感じの、恐ろしいエージェント役にぴったりだと思ったんだ。ストーリーには『人魚姫』や『ヘンゼルとグレーテル』といったおとぎ話と多くの共通点があると思います。彼ら父娘は、森の中の丸太小屋に住んでおり、ストーリーの中で儀式的な物事がどんどん開示されていきます。娘は外界へ出ていき、倒すべき悪と出会うわけです」。

「この『ハンナ』という作品で僕がハンナに関して最も楽しめたのが、ファンタジーを作る中で感じた解放感です。そして物語に感情的な信頼感さえ持ってもらえれば、細かい点での納得感の限界というのは最大限まで拡張することができます。僕にとってあらゆるおとぎ話というのは、情緒的感覚を生み出してくれるものであり、それこそが、『ハンナ』の中で見ることのできる最も重要な点なのです」。

「僕にとっておとぎ話というのは、ハッピーなものでも、甘ったるいものでもありません。それは、ダークサイトと悪者を打ち破る、正義の物語なのです。僕は、今日、ハッピーエンディングが、おとぎ話的だといわれることは矛盾していると考えています。なぜなら、おとぎ話は決してハッピーエンディングを迎えないからです」。

 

ライト監督は、両親がロンドンで営むパペットショーで働きながら幼少期を過ごしてきたから、その点についてよくわかっているのでしょう。この劇場、イズリントンにある『The Little Angel Theatre』は今も健在です。

「こういったストーリーは毎日語られています。『人魚姫』『ヘンゼルとグレーテル』そして『ラプンツェル』は私たちの生活の一部となっています。しかしそれらの作品はバイオレントでダークで教訓を与えるためのお話です。物語はどこか遠くの町を舞台にして、恐ろしい世界において子供たちが直面する障害に対して心の準備をさせることを意図しています」

 

ライト監督のバックグランド

彼は、スーパー8フィルムカメラで作品制作を始めました。映像作品とドローイングの力が評価されて、プライベート・アートスクールへの入学が許可されました。のちに、芸術と映画をロンドンの、キャンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツ大学で学びました。

彼が大きな影響を受けた先達の1人がデビッド・リンチです。「彼は僕が15歳くらいのときに、『ブルー・ベルベット』を見てから、僕の世界をまるっきり変えてくれました」と思い出します。「それ以来、僕は彼のある種の神秘主義のとりこになったのです。彼はまるで僕にとっては、全く新しいタイプの詩を聞かせてくれる詩人のようでした。それはまるで、キーツの詩を読んで大きくなった人が、急にチャールズブコウスキーに出会い、こんな詩もあったんだ、と発見するようなものでした」

彼は、BBCの映画製作スカラーシップを獲得し、ジャンプアップ作『プライドと偏見』を制作する前に、何本かのTV映画とにミニシリーズを制作しています。

ライトはロンドンに住んでおり、2007年10月には、『プライドと偏見』でジェーン・ベネットを演じた女優のロザムンド・パイクと婚約していましたがが、結婚数週間前に婚約を破棄し、昨年(2010年)の9月、ラビ・シャンカールの娘であるアヌーシュカ・シャンカールと結婚しました。最初の子は、つい数か月前に生まれています。『ハンナ』のプロモーション業務を終えた後、またも、古典文学作品トルストイの『アンナ・カレーリナ』を次の作品として準備をはじめており、キーラ・ナイトレイが主演、ジュード・ロウとアーロン・ジョンソンが共演します。脚本はトム・ストッパード。

 

次回作『アンナ・カレーニナ』を語る

「これは、この本は、前から映画にしたかったものですが、条件が整わないと制作できないことがわかっていました。なので、トム・ストッパードが脚本を担当してくれるということで、制作意欲が出たのです。この作品の脚本は誰もが×ものではないと思いますし、驚いたことにストッパードが承諾してくれました、彼は、僕が読んだものの中で最も素晴らしいものを書いている客hンかなのです」。

「アンナの物語にフォーカスしているような、他のアンナ・カレーニナの脚色と違って、彼の脚本はアンサンブル作品であるオリジナルにより忠実なものに仕上がっています」。

しかし、まず彼は、自身が『ハンナ』で創造したファンタジー的おとぎ話に対して、オーディエンスがどのように反応してくれるかについて早く知りたがっています。「僕は観客が、純粋なエンターテインメント作品として楽しんでくれるとともに、ほんの少しびっくりしてほしいなぁ、と思っています」。

『ハンナ』は5月6日イギリス封切です。

以上です。なかなか興味深いですね。ライト監督は、イギリスを代表する大監督になる予感満点ですね。

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Posted by yaozo