ドーナツスピーチよりすごいスピーチ

英語学習

お盆で実家に帰省している間、義姉が近所のミスタードーナッツで、家族みんなで食べられるたくさんのドーナッツを買ってきてくれました。

我が家の近くのイオンに入っていたミスタードーナッツが撤退したので(なぜだ?あんなにおいしいのに)、久しぶりのミスタードーナッツに我が家のメンバー全員大喜び。

 

ドーナツスピーチ?

ドーナツを食べてたら、山下達郎ファンとしては自然と『ドーナツソング』が連想され、直前に見ることのできた山下達郎さんのコンサートの話を義姉家族にしてあげてました。

彼のコンサートは音響的に満足できないのでドームなどでは開催されない

→ なので、1回数千人単位の小規模ホールでのコンサートになる

→ すると来場希望する観客数が巨大にもかかわらず、これを満たすだけの数のコンサートが実施できない

→ 需給関係の不均衡から、チケットが抽選制になり入手が困難

→ 当選するととてもうれしい。

といった感じのことを説明しました。

 

「へ~、じゃあかなりラッキーだったんだね」と義姉。

「そうなんだよ、9本申し込んで1本あたりだった。よかったよ」と私。

 

「ドーナッツといえばさ、トヨタの社長のドーナツスピーチ、話題になってるね。見た?」。

「なにそれ、知らない」

「トヨタ ドーナッツ で検索すればすぐ出ると思うよ。面白かったから見たほうがいいよ」

 

早速言われた通りにGoogleで「トヨタ」と打ったとたん「トヨタ ドーナッツスピーチ」などと検索ワードが出てくるので、YouTubeで見てみました。

トヨタ自動車の代表取締役社長が、母校であるバブソン大学の今年の卒業式典で行ったスピーチでした。

 

 

 

私は、もとよりクルマやそれを取り囲むカルチャー全体に一切興味がないので(そもそも運転免許証も取得したことがありません)、当然この社長のこともほぼ何もしらない、といっていいレベルの知識しか持ち合わせていません。

しかしこの15分もかからないスピーチで、この方の生い立ち、育ち、努力、人となり、といったことが全体的につかめたような気がしました。これは、私がこの社長について知るべきほぼ全部といっていいでしょう。終始一貫して会場をわかせながら、私のように、この方についての情報をほぼ何ももっていないものにも、人となりを伝えられる、というのは、よほど優れたスピーチだったということです。

 

話し出す前はやや笑顔が固いように見えたので、「例の日本人の英語スピーチ」かとやや不安を感じました。

しかし、そんなこちらの勝手な不安をよそに、開始数秒で、いわゆる「くすぐり」を入れてきます。その後は、最後まで笑いに次ぐ笑いで、観客の心をつかみ約14分のスピーチを終えます。

私が解説しても別に読者の得るものはほとんどないでしょうから、彼のスピーチのなにがどのように素晴らしかったのかについては、↓のような専門家の解説を読んでいただければと思います。

https://www.businessinsider.jp/post-193351

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65476

 

まぁ、識者の認める通り、日本人が英語母国語話者に向けて行ったパブリック・スピーチの中で、最も秀逸なものだと思います。

私も、彼の英語の発音レベルから察するに、それほど高い英語運用能力があるとは思えません。

にもかかわらず、こんなに優れたスピーチを打ったということは、論理必然的にかなりの努力によってこれを実現しただろうと推察します。

解説者も書いているように、何百回と練習したことと思います。

 

なんなら、YouTubeの「次の動画」のレコメンには、例のジョブスのスピーチが続くくらいです。

一応貼っときますか。久しぶりに見たくなる人もいるでしょうから。

 

 

孫正義の(英語の)基調講演がすごい

日本人の英語スピーチで思い出されるのは、ソフトバンクの孫正義氏です。

先に断っておきますが、私は、日本に少なくない、孫正義の崇拝者ではありません。どちらかというと、6:4か7:3くらいで、ネガ気味な態度でニュース等に接してます。

 

彼も、豊田氏同様、アメリカの大学で学びました。カリフォルニア大学のバークレーらしいです。

豊田氏と違って、随分前の留学ですし、彼ぐらいの立場ですから、当然のことながら、ビジネスネゴシエーションの場では超一流の通訳がつくでしょうから、本人が英語を使う必要はないと思います。

なので、彼の日本語によるスピーチは相応の本数聞いてきましたが、まぁ留学経験者といっても、英語のスピーチがどれくらいやれるのかについては、クエスチョンマークでした。英語話せるの?くらいな感じでした。

ところが、彼が2017年に、モバイル関連イベント「Mobile World Congress(@バルセロナ)」で行った英語のスピーチを見たとき、正直驚きました。

豊田氏のスピーチと違って(目的も対象も違いますので)別に観客がドッカンドッカン受けていたわけではありませんが、私の事前の想像をはるかに超えたレベルのスピーチをかましてくれました。

 

 

ご覧になってわかるように、発音についてはかなりひどいもので、なんとか通じてるのるかな?程度のレベルです。しかし、日ごろから彼が英語でコミュニケーションし慣れている様子は、十分推し量られるものでした。

 

個人的な感想としては、彼の日本語のスピーチと英語のスピーチはあまりレベルが変わらないのでは、と言う感じです。

もともと日本語のパブリック・スピーチ自体がとりわけ上手な方ではないので、英語のスピーチを見て、よけいに驚かされたのかもしれません。

勝手な想像ですが、もちろんこんな重要なビジネス系イベントの基調講演で世界からの経営層を相手にしゃべるわけですから、もとより指導を受けている専門家から、この講演用に特別に訓練を受けたことと思われます。そりゃそうでしょう。

 

しかし、豊田氏の場合ほど練習した感じは見られません。なんででしょう。

直感的に、彼はいつも同じようなことを日本語でこれくらいの尺で話し慣れているからかも、と思いました。

 

豊田氏の場合、超優秀なスピーチライターがついて、本人と何度もセッションして、双方の満足のいく原稿を仕上げていったのだろう、と想像されます。

しかし、孫氏の場合、(もちろんともになんの根拠もありませんが)全編自分が言いたいことを日本語バージョンで作って、それをスピーチトレイナーが英語バージョンに仕上げていった、といった印象を持ちました。

だからよどみなく話しているのではないでしょうか。全くプロンプターやころがし(登壇者向きのモニター。後ろのアシスタントがタイムをとりながら、パワーポイントのスライドをめくっていく、といった段取り)も使っている様子が見られません。

完全に、頭の中にあることを、流れにまかせて口から出している、といった感じです。

正直、英語なんてほとんど話せないのじゃないか、と勝手に決めつけていただけに(単なる偏見です)、私の驚きは大変なものでした。

あえて言うなら、豊田氏のスピーチを聞いたときには「うまい」と思いましたが、孫氏のこの講演は「すごい」と圧倒されました。

この原稿を書くのに、また見てみましたが、まぁ発音もほとんど矯正してもらっていませんし(訓練を受けても受け付けそうにないような気がします)、文法的に?な点もいくつかあります。

ただ、そんな些細なところは気にならず、ビジネスパーソンとして、世界中のいろんな手練れと戦っている凄みのようなものを感じました。

彼のスピーチは、そういったくだらない好き嫌いを超えて、見るものにインパクトを与えるスピーチだったということです。

 

宮沢エマのおじいさんが一番すごい

最後に是非見ていただきたいのが、(若い方には宮澤エマの祖父と言った方が早い?)故宮澤喜一氏の、アメリカのTV番組に出演したときの映像です。

 

彼は、1991年に総理大臣になったわけですので、1991年以降の収録であり、議論の内容を見ると、日米貿易摩擦真っ只中でしょう。

アンカーを含む3人のアメリカ人から、今見ると、明らかに一国の元首に対してそういう物言いはないんじゃないの?と思われるような質問を矢継ぎ早に浴びせられています。

まず、3対1って、なんだよう、って感じです。

ところが、そんなアンフェアな状況にありながら、そして強度の悪意を持った質問者からの質問を受ける彼は、それを理解し、瞬時に咀嚼し、答えを考え、英語で答える、という離れ業を、終始穏やかな様子でこなしています。

留学経験もなく、もちろんインターナショナルスクール出身でもないにもかかわらず、丸腰で本当に自力でここまでの英語力を開発していった超人的な努力と知性に頭が下がります。

 

wikiを見ていたら、田中角栄から「英語屋」などと陰口を言われたり、極端な学歴偏重主義なところがあって、周囲の人の不興を買うような面があったりと、性格的にどうなの?ということも書かれていますが、しょせん完璧な人などいませんし、公人だったかですから一般人より色々記録されているだけだとも考えられます。

長じてからは、フランス語も大事だと考え、取り組んだそうです。勉強はいくつになってもはじめられる、という考えのようです。とにかくすごい。

しかし、この方のこのインタビューを見ると、自力でここまでの英語力、特にその素晴らしい発音なんて(アメリカ風発音と日本語の学校教育風発音が混ざってますが)、この時代にどうやって鍛えていったのかと、不思議でなりません。

NetflixもHuluもAmazonビデオも、DVDすらなかった時代ですよ。

 

まぁ立派な人は立派だという至極当然の結論しか思い浮かびませんが、とにかくこういった日本人がいるということは、それだけで励みになりますね。

ということで、単なる「平時の英語」ではなく、「シビアな局面におかれても使える英語」、という点で考えると、私の見てきた日本人の中でここまでの人はいません。

私も頑張ろう、と素直に励みになる動画でした。

 

 

Amazonプライム 30日間無料体験申し込みページ

海外ドラマバナー







 


Posted by yaozo