“God speed you!” ってどういう意味?

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内田樹先生のブログを読んでいたら、最後に「God speed you.」という言葉で締めくくられていました。(「高校生へひとこと 2018-07-31 mardi」)

 

God speed you! Black Emperor

私がこの言葉を初めて聞いたのは、カナダのポスト・ロック系のバンド名「God speed you! Black Emperor」の中でした。

5-6年前に「ポスト・ロック系」と呼ばれるジャンルを集中的に聞いた時期があります。ポスト・ロックというのはその名の通り、従来のロックのイディオムに沿わない形式でクリエイトされるロック的な音楽を指します。「ベタなロックの進化系」ぐらいの意味になるわけです。

ベテランのロックファンであれば、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの影響を強く受けている音楽であり、元ピストルズのジョン・ライドンが結成したパブリック・イメージ・リミテッドがその先駆的存在だと言えば、なんとなく感じが掴めるのではないでしょうか。

ポストロックwiki

 

代表的なバンドの中で私がよく聞いたものは、トーク・トーク、ステレオラブ、トータスや、2000年代だと、モグワイ、シガー・ロス等があります。

 

この「God speed you! Black Emperor」というバンドも有名なバンドの1つなので、なんどか聴いたことがあります。具体的なサウンドのイメージをつかんでもらうために、ポストロックらしい曲『Moya』をライブバージョンで↓。

 

彼らは、1994年にカナダのモントリオールで結成されており、その名は、1976年に公開された日本映画『ゴッド・スピード・ユー!BLACK EMPEROR』から採用したとあります。

ポストロック系バンドを調べていた時に、このバンドを見つけ、バンド名の由来がこの日本の映画タイトルであることを知りました。

YouTubeで検索すると、このポストロックバンドとこの日本暴走族のドキュメンタリー映画の両方が混ざって出てくるので、かなりの違和感があってびっくりします。






『ゴッド・スピード・ユー!BLACK EMPEROR』

その映画も、今ではなんとYouTubeで英語字幕付きで全編見ることができます。

 

この映画は、日本で最も有名な暴走族といっていい「BLACK EMPEROR」を扱ったドキュメンタリー映画です。この名前は、私ぐらいの年齢なら暴走族の代名詞といっていいくらい誰でも知っています。

自主制作され限定公開され、暴走族が大挙して来館して話題となったことから、35mmにブローアップして東映系で本格公開されたとのこと。

DVDも発売されているようです。

ここで取材されている方も、もうすでに十分大人になられているでしょう。すっかり、社会に貢献している良い市民になっている方も少なくないのでは。

私の近くにも、紆余曲折を経て更生されたのち、立派な市民となり、超大型のモーターサイクルに乗ってツーリングしている方が相当の割合でいらっしゃいます。髪型で主張してますので、初対面でわかりますが。


ちなみに同時上映は『暴走の季節(主演:岩城滉一、1976年)』『暴力教室(主演:松田優作、1976年)』との3本立てだったらしいです。こりゃそういう方々は全国でみんな見に来るわ。前者に主演している岩城滉一は、矢沢永吉のバンド、キャロルの解散コンサートビデオ(『燃え尽きるキャロル・ラストライブ』。昔はビデオ版を、現在はDVD版を持ってます)で、「クールス」の一員として舘ひろしと一緒にバイクに乗ってます。

 

「God speed you」という言葉がこの暴走族映画に由来しているということから、これは「God bless you」のかけことばで、「スピード」に酔いしれる若者たちを賞賛する意味で使われており、

「神があなたたちにスピードをあたえますように」

というような意味だと思い込んでいました。

 

「God speed you」の本当の意味とは?

で先日、内田先生がブログ内でこの言葉を、スピードの話とは全く関係のない文脈で使っているのを読み、これは↑の映画でかけことばで作られた造語ではなくて、ちゃんと元からある言葉なんだ、ということに気づき、遅ればせながら検索してみました。

結論を言うと、答えは、「God bless you」と同じ意味でした。

yourdictionary “godspeed” のページには、↓のように

 

Used to wish someone success or good fortune, as on a journey.

 

とあります。

 

「speed」は、元々が中期英語で、

spede = prosperity, good luck, success, quickness

という言葉が語源だとのこと。

ここであげられている原義の、4つのうち3つが、「良きこと」を表すことばであり、現在、我々が第一想起している「速度、素早さ」という意味は、マイナーな用法だったようです。

 

実際、Wiktionary でspeedの現在の用法を調べてみると、ようやく8番目に(archaic=古い文体)として、「Luck, success, prosperity」と出てきます。

 

なるほど、そういうことだったんですね。知ってるつもりになってた言葉の本当の意味を、5-6年経ってからようやく知りました。

 

こういうことがあるので、やはり新しい表現に出会ったら、勝手に「もじってる」などと思わず、「ちゃんとした言葉」をかけているのでは?と疑って、ちゃんと調べる癖をつけねばならないなぁ、と思った次第でした。

 

『God speed you! Black Emperor』という映画のタイトルは、そもそもこのタイトルの命名者(監督?)が、「Black Emperor~」を題材にした映画のタイトルを考案する際に、「God speed you!」という表現を知っていて(すごい!)これが、暴走族を扱う映画の内容に「かかっている」という判断で、「こりゃいいや!」ということで採用したのだろう、ということが想像できます。

 

読んだことがない方は、まずは新刊はどうでしょう。読みやすいですよ。元気もわいてきたりします。

だから、わりに読書によって「実利的効用」が感じられる稀有な作家の1人かと思います。


 

面白かったと感じた方は、↓のような要書を手にしてください。これも難しいことを、実に簡単な言葉でわかりやすい理屈で解説してくれています。読後感が気分がいい。スッキリしたい人にお勧めします。


 

映画好きの方なら、↓こんな本で内田先生の博覧強記に触れてみるのも一興かと。

 

まぁ、話を戻しますが、内田先生のブログを読まなかったら、この先ずっと(なんなら死ぬまで)、この表現を知らずに誤解したまんまだったわけです。いろいろ読んだり調べたりしてみるもんですね。

 

 

英語の基礎力をつけるには高額なスクールに通う前に、かなり計画的に学習誘導してくれるような、自学ツールでコツコツやるのも一つの手ではないでしょうか。

ちなみに、うちの中一の娘はこれで英語頑張ってます。

頑張れ不登校娘!



 

 

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Posted by yaozo