2020延期(涙)の今こそ、ロンドン五輪開会式で英国コンテンツレビュー!

Music, イギリス英語, 人生100歳時代, 芸術, 英語学習, 音楽

yaozoです。

東京五輪2020延期になりましたが、やはり2月頃までの関心は、開会式ではなかったでしょうか。

椎名林檎をはじめとする、日本の最前線のアーティストによる開会式の演出を見るのを心待ちにしていた人も少なくなかったかと思います。2021年には見られるといいですね。

さて、私が一番印象に残った開会式は、なんといっても2012年のロンドン五輪です。前の投稿でも書いたように、イギリス文化が大好きなので、当然と言えば当然ですが。

英国の完全復活を国内外にデモンストレーションするとともに、英国が世界に与えたコンテンツの数々を、これでもかと披露する、圧巻の演出は、あぁ、エンターテインメントは、米国の1強だなぁ、などとうすぼんやりと思っていた私には、大きな気付きを与えてくれるショーでした。

英国の持つソフト、コンテンツの質と量のなんと圧倒的なことか、ということをまざまざと見せつけてくれました。しかも、ほとんどの国の場合は、過去の遺産というか、伝統、遺産押しの演出にならざるを得ません。

ところが、この国の場合は、歴史もあるは、今日的なコンテンツでも世界のカルチャーの土台になっているわで、大英帝国は沈んでいないなぁ、と1つの演出、1曲のソング毎に思い知らされるわけです。

まぁ、受け取る側の世代にもよるとは思いますが、少なくとも私のような50代にはど真ん中ですし、私より若い世代にも十分アピールするコンテンツを有しています。

ということで、ロンドン五輪開会式で活用された英国のソフト資産の主なものについてレビューしたいと思います。どうぜ、東京のはまだ当分見れませんしね。

 

開会式全プログラム動画はこれ→まずはスタジアムにつくまでの空撮

↑が、Olympicの公式YouTubeサイトのフル尺の開会式動画です。ほぼ4時間です。後半の各国の入場場面もありますので、全部が全部面白いわけではありませんが、演出部分は、とにかくこれまでのロンドン五輪の前後の会の開会式を見ても、群を抜いているのではないでしょうか。

↓公式ブルーレイも発売されてますが、開会式だけなら上の動画で総尺見れます。

約4時間にわたる開会式の生中継は、ヘリショットで、ロンドンの象徴ともいうべき、ビッグベンの画からはじまり、ウェストミンスター橋、そしてロンドンアイのあたりをスタート地点として、テームズ川を東に移動していきます。

橋を何本か越えて、川添いに進むと、当然、向こうにロンドン橋が見えてきます。そのやや左には、うっすらと「きゅうりビル(30セント・メリー・アクス)」の姿も見えます。盛り上がってきますね。

う~む、これくらいで既にロンドン五輪であることが印象づけられています。

ロンドン橋でややクローズアップ気味にしてから、またカメラを起こします。うねうねとうねるテームズ川をこんどは突っ切るように、ロザーハイズを眼下にまっすぐ飛んでいくとO2アリーナが見えてきます。そこから左に北上すると、どんどん開会式会場「クイーン・エリザベス・オリンピック・パーク」が見えてきます。

そして、中継は満員の会場の人々の興奮した表情に移るわけです。

 

ダニー・ボイル監督による「Isle of Wonder(不思議の島、つまり英国)」

ここから、いよいよ開会式のスタートです。演出は、『トレイン・スポッティング(1996)』『スラムドッグ$ミリオネア(2008)』、最近では『イエスタデイ(2019)』で大ヒットを飛ばした、イギリスを代表する映画監督、ダニー・ボイル。






・はじめは、開会式のテーマ「Isle of Wonder」と書かれた、水中に埋もれた石板のショットから。もうこの、苔むした済んだ川のイメージからすでに妖精の国的イメージが喚起されることになります。

・ここから、ボイルによる主に川、水をテーマとした、スピーディーな映像が数分間流れます。最後は、パークの中継に切り替わります。

・ダニー・ボーイを中心とする少年少女による歌声をべ―スに映像や会場の生中継演出を切り替えながら進みます。

・最初のテーマは、パークの中に設置された古き英国(ブリトン島的イメージ)の田園風景を象徴する緑の谷、そしてその頂点にそびえる大木。

・次に、イギリスが世界に先駆けて行った「産業革命」を誇るシークエンス。ここがややが長いですかね。なんなら中心に添えてますね。

ボイルとしては、産業革命が今日の産業社会、そしてIT社会の基礎を作った、そしてそれはとりもなおさず英国の世界へ与えた貢献だ、という誇りを表現したいのでしょうか。

画がややダークなので、個人的にはもう少し短くても良いかと思いました。特に、この産業革命は、良い面が大きかったと同時に「資本家と労働者」という階級間闘争を生み出しましたし。冒頭も、資本家の権家のような形相のケネス・ブラナーが口火を切り、全編でずっぱりですし。とはいえ、途中で「女性参政権(サフラゲット)」のデモ・マーチングが入ったりします。女性の権利向上に関しても英国がリードした、ということでしょうかね。

・最後はようやく、パークの上に、五輪の光が輝き、このシークエンスを終えます。

 

王室も大活躍。もちろん女王陛下のしもべも登場

次は、映像にかわり、バッキンガム宮殿に入っていく一台の車。車上の人はダニエル・クレイグ扮する007。

ここで、話題になったのが、かの女王陛下エリザベス二世を、ダニエル・クレイグが迎えに来たという設定。ご本人が出演します。ダニエル・クレイグとの夢の競演です。007本編でもカメオ出演したことのない陛下が御出演とは、当時かなりビックリしましたね。で、二人はヘリに乗り込む(という演出)。

オリンピック・パークに到着したヘリから、なんとパラシュートで飛び降りる陛下(スタント)とクレイグ(本人?)。ここは、007のテーマがかかります。

ダニエル・クレイグも、007シリーズ出演3作目の「スカイフォール」プレミア直前(2012年10月公開)ということもあり、自信満々の表情がうかがえますね。


で、ここからは、陛下とエディンバラ侯爵フィリップの会場入りの生中継に変わります。

国家斉唱とともに国旗が掲揚されます。壮言な雰囲気。

 

出た!マイク・オールドフィールド!ここからがコンテンツの女王、英国の本領発揮だ

 

続くシークエンスでは動画で44分丁度あたりから、私の大好きなマイク・オールドフィールドが登場。まずはベースを弾いています。

一般的には映画『エクソシスト(1973)』で使われて有名な「Tubular Bells Part One(ジャズアレンジ含む特別バージョン)」。


 

ここでの会場の演出は、コロナ問題でもよく耳にするようになった、英国のNHS(National Health Service)の1960年代風の看護師たちと、彼らにケアされる子供たちが主役です。ジャズアレンジのところでは、踊りまくります。

 

J.K.ローリングも登場!!現役のビッグ・ネーム続々登場

J.Kはほんの1分ほど、『ピーター・パン』からの一節を朗読します。それで、朗読の後、すぐにはけます。なんて贅沢なキャスティング。現役の世界的ビッグ・ネームをひょいひょい呼べる国なんですからすごいですね。

Of all delectable islands Neverland is the snuggest. It’s not large and sprawly, you know, with boring distances between one adventure and the next, it’s nicely crammed. When you play at it by day with the table and chairs, it’s not a bit frightening, but in the two minutes before you go to sleep it is real.

JM BARRIE, PETER PAN/PETER AND WENDY(1911) 


↓娘につきあって、何十回見たことか。やはりコンプリート・セットで買っとかないとですね。

 

そして、「チューブラーベルズ3」から、エンディングの一番盛り上がる「Far Above the Clouds(大チューブラー・ベルが文字通りカンカン鳴るところ)」。

マイク・オールドフィールドは、今度はPRSのエレキギターに持ち変えて、リードギターを演奏します。

このギター、よく見ると、フロントがミニハムバッカ―で、リアがハムバッカーなんですね。こんな感じのギターをベースに特注してるんでしょう。セレクターではフロントが選択されているように見えます。

ここで、なんと漆黒の衣装に身を包んだ数十人のメリー・ポピンズが空から降りてきます。この開会式のハイライトの1つだと思います。手放しに感動。そっか、メリー・ポピンズあったねぇ。

チューブラー・ベルズ3のエンディングのドランマティックなトーンに合わせて、メリーポピンズ(映画『メリー・ポピンズ(1964)』より)は、子どもたちの夢に合わられるゴーストのようなものを退治してくれます。そして子供たちは心安らかになります。


 

ちなみに、『メリー・ポピンズ・リターンズ(2018)』も最高でしたね。ジュリー・アンドリュース版より好きな人もいるんでは?エミリー・ブラントカッコイイですね。ってか少し怖い感じが、いい雰囲気出てましたね。

そこで急に、牧歌的な曲が流れだし、子供たちはベッドの上で飛んだり跳ねたり。

これは、マイク・オールドフィールドの「Ommadon」の3曲目に収められている「In Dulce Jubilio」というトラディショナルのカバーです。かわいくて英国の古を思わせてくれる楽曲です。

 

ここでマイク・オールドフィールドの出番は終わりです。

 

サイモン・ラトル×ロンドン響+ミスター・ビーン?=炎のランナー

次はサー・サイモン・ラトルとロンドン交響楽団による、オリンピックをテーマに描かれた英国映画『炎のランナー』のテーマ曲。懐かしいヴァンゲリスの楽曲です。

英国の誇る大人気指揮者サイモン・ラトルは「サー」ですからね。

私は好きです。この人の指揮。ベートーベンの交響曲は軽快なこの録音が好きです。



『炎のランナー』ですが、私は、スポーツをやるのはほぼ興味がないのですが、なぜかこの映画は何度も何度もみてますね。パリ・オリンピックにトラック競技の英国代表として出場することになる、若者2人が主役なのですが、一人はユダヤ人として故なき差別にあいながらもイギリスのエスタブリッシュメントメントに成り上がることを夢見るケンブリッジ大学生、そして最終的には新聞王になった男。そしてもう一人は、ただ神を称えるという理由だけのために純粋に走る若きスコットランド人牧師。

各々、ハロルド・エイブラハム、エリック・リデルという、ともに1924年パリ五輪の100mと400mの金メダリストであり、実話に基づいて製作されている。そこもまた感動的。何度見てもすばらしく、胸が熱くなる。ハロルドの影も胸を映し、エリックの神への無条件の愛も神々しい。

↓はデジタルリマスタリング版ブルーレイ。おまけ映像ももちろん沢山詰め込まれてます。

さて、オーケストラが静かに「Chariots of Fire」の感動的な出だしをピアニッシモで奏で出すと、例の印象的なシンセサイザーのワントーンがシンセで入るのですが、演奏している指からカメラがだんだんひかれていくと、なんと演奏者はローワン・アトキン、というか彼が演じるミスター・ビーンです。

そこでひとくさり、シンセ演奏に絡んだギャグをかましてくれるわけです。ユーモアの国でもある英国を象徴する一コマです。

途中、映画の冒頭のシーンで、砂浜を走るイギリス選手団の映像に、CG合成でローワン・アトキンソンが混ざっており、ご想像に難くない展開で笑わせてくれます。この人のは、そんなに爆笑したことないですが、まぁ、笑うのをこらえるのはちょっと無理な感じではあります。

 

イギリスのポップミュージック賛歌  “Frankie and June say…thanks Tim”

ここからは、ミニクーパーで、1/1サイズのイギリスの典型的な一戸建てのマイホームに帰宅したママと子供のシーンからはじまる “Frankie and June say…thanks Tim”と題された、約15分のシークエンスです。

まずは、イギリスを代表する、1951年から続くラジオドラマ(radio soap opera)「The Archers」のテーマが流れ、スタジアム全体が、これぞイギリス、といった空気で包まれます。

続いて、Sugarbabesのヒット曲「Push The Button(2005)」に乗せて、イギリスのシットコムを中心とするテレビ番組やミュージックビデオを素材にしたシークエンスが展開されます。

80年代のポップス、オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークの「エノラ・ゲイ(1980)」でスタート。

その後、Rizzle Kicks の「When I Was A Youngstar」と続きます。

続けて、ジェーンという主人公の女の子が、地下鉄に乗っていくという設定。アーチ状のライトを持った男女によって地下鉄が表現されます。

曲は地下鉄=Undergroundとうことで、The Jamの「Going Underground(1979)」

 

ここからは怒涛のブリティッシュ・ロック&ポップ・メドレー。

・Eric Claptonの「Wonderful Tonight」

ここで、少女はスマホをホームで落としてしまう、とのパネル。

・The Whoの「My Generation」

・The Rolling Stonesの「Satisfaction」

・Millie Smallの「My Boy Lollipop」→60年代のテレビライブ映像付き

・The Kinksの「All Day And All Of The Night」→ギターリフが超カッコイイ

・The Beatlesの「She Loves You」→ライブ映像付き

ここで主役のFrankieが「君のスマホ見つけたよ。いまどこ」と訊くと「これから70年代にいくとこよ」とこたえるJune。(って、スマホ落としたんじゃなかったけ?細かい話はいいか。。。)

・Led Zeppelinの「Tramped Under Foot」

・The Specialsの「A Message to You Rudy」

・David Bowieの「Star Man」→Bowieの映像付き。ここで何人かのパフォーマーがかジェット噴射で上昇します。

・Queenの「Bohemian Rhapsody」→ダンサー全員フレディになります。マイク何本用意したんじゃ。衣装はちょっとABBAっぽかったけど。

・Sex Pistolsの「Pretty Vacant」→さすがに「God Save The Queen」は使わなかったw

一瞬Johnny Rydonの顔が写り、モヒカンの大頭を被った玉ねぎ人間風のダンサーがパンクにジャンプします。Juneから、さっきとった写メがFrankieに届きます。

・New Orderの「Blue Monday」

・Frankie Goes To Hollywoodの「Relax」→「ところで名前何?」と訊くジェーン。男性主役の名前もFrankieという仕掛け。

・Soul Ⅱ Soulの「Back to Life」

・Happy Mondaysの「Step On」

・Eurythmicsの「Sweet Dreams Are Made of This」

・Prodigyの「Firestarter」→会場では、まじで炎が吹き上がります。

・Underworldの「Born Slippy .NUXX」

ここで主役のFrankieとJaneが出合います。曲は、往年の名曲「I’m Forever Blowing Bubbles」がアカペラで歌われます。

ここでは、お家型の投影用オブジェクトに、ヒュー・グラントのヒット作『フォー・ウェディング(1994)』の名場面が投影されます。


ここで、口づけするFrankieとJuneにあわせて、数々のキスシーン。

その後、会場中央の丸ステージに、Dizzee Rascalが登場し、「Bonkers」をライブ・パフォーマンス。

・Amy Winehouseの「Valerie」→ここらあたりからは、主役2人は仲良くダンスに興じます。

・Museの「Uprising」

・Tinie Tempahの「Pass Out」

 

wwwの生みの親、サー・ティム・バーナーズ=リー登場。どうだ!!って感じがすごい。

最後は、レプリカハウスが上に持ちあがり、家の中には、インターネット=World Wide Webの仕組みを開発したイギリス人計算機科学者である、Sir Tim Berners-Leeがパソコンを前にしてデスクに座って作業していた、というオチ。

彼は、当時wwwを開発する時に実際に使っていた「NeXT Computer」を使っている、という演出のようです。

彼がコンピューターを使ってツイートすると、客席の明かりで、「THIS IS FOR EVERYONE」という文字が光ります。

結局のところ、産業革命しかり、その後の情報技術革命しかり、人類にとって真に基幹的で重要な発明は、我々イギリス人によるのである、という誇りが感じられる演出です。

ここで、場内アナウンスで、「ワールドワイドウェブの生みの親、サー・ティム・バーナーズ=リーです」と響き渡ります。

wikiが説明するところによれば、演出のボイルは

“Music connects us with each other and with the most important moments in our lives. One of the things that makes those connections possible is the World Wide Web”

「音楽は、最も重要な場面で、私たちを互いに結び付けてくれます。そんな結びつきを可能にしてくれる要素のひとつがWWWなのです」

ボイルは、そんなWWWを商業的なサービスとせずに、誰もが無料で使えるものにしてくれたことに感謝の意を表しているのだ、とのこと。

だからこそ、バーナーズ=リーがツイートした言葉が

THIS IS FOR EVERYONE

だったというわけです。

しかしまぁ、実際にそういう人物が存在するわけですから、(しかもご存命)演出的に起用できるわけで。それだけで、すごいことですね。東京大会を2020年に実施できていたらどのようなデモンストレーションができたんでしょう。ここまでとはいかないでしょうね。日本ならではの固有の文化・美意識みたいなものの再認知を図る方向性でしょうか。

 

トーチリレー アテネからロンドンへ

ここからは、トーチリレーの模様となります。

まず、第二次世界大戦直後に(3回の中止を経て12年ぶりに)開催された1948年のロンドンオリンピックの歴史的映像が流されます。

アテネからロンドン、Wembley Stadiumへ。

 

続いて2012年のオリンピックの火がギリシアからロンドンへリレーされるシークエンス。

ベッカムなど有名人のランも含めて紹介VTRで挿入されます。

城を抜けて、砂浜を抜けて、イギリスですから、もう完全にどしゃぶりの中でのランも何回かありました。

女王にもお見せして、あげくランナーの男性が途中で膝まづきガールフレンドにプロポーズしたりして。

ロンドンに入ってからは、セントポール寺院、ビッグベン、ロンドンアイ、ロンドン橋、テームズ川クルーズ(ベッカムが操縦!ベッカム率高し)と自慢の観光資源をこれでもかと誇らしげに見せてくれます。

↓はトーチリレーだけをまとめた動画。

David Holmsの「I Heard Wonders」に乗せて10分に渡る感動的な映像。

 

聖火点灯

オリンピック・パークに到着して、いよいよ聖火点灯です。

ここで、Brian Enoの「An Ending」をバックに、2005年7月7日に発生した「ロンドン同時爆破事件」で犠牲になった方々の写真が次々に投影されます。

この事件は、2012年のオリンピック開催地にロンドンが選ばれた翌日に発生しました。

 

その後、スタジアム内で、数十人のダンサーによるパフォーマンスが展開されます。

そこでは、ステージ上に一人立つEmeli Sandéにより、讃美歌「Abide with Me(日暮れて四方は暗く)」がライブで厳かに歌われます。

ここで、ギリシアを先頭にしたパレードがスタートします。

ジンバブエに続いて、(動画では3時間4分あたりから)英国代表団が行進します。エリザベス女王2世もピンクの衣装で元気に映っています。

代表団の登場とともに、David Bowie(R.I.P)の「Hero」が流されます。鳥肌が立ちますね。

↓は、ドイツのハリケーン・フェスティバルの2004年のステージにたったボウイ。オリジナルトラックが良いのは当然ですが、このライブもYouTubeで見れるものでは最高の1本。これもよく出ていて、バックバンドも(ロバート・フリップはいませんが)いい音出してて、すごい。


コメント欄を読むと、この時ボウイは、体調が最悪で心臓発作を起こす寸前であり、動脈瘤でライブ直後に病院に急行し緊急入院し、一命をとりとめたとのこと。全くそんな風に見えません。すごい。

開会宣言

英国代表団を最後にすべての代表団が整列すると、ステージでライブ・パフォーマンスがはじまります。

まずは、Arctic Monkeysの「I Bet You Look Good on the Dancefloor」。

続いてThe Beatles のカバー「Come together」。

ライブの間、羽根を持った75人の自転車ライダーがスタジアムをぐるぐる走り回ります。曲の終盤では、一人のライダーが中空に舞い上がり、スタジアムから去っていく、という演出。

これは、従来、平和の象徴であるハトを飛ばしていたのだが、1992年から飛ばさなくなったので、その代わりの平和の象徴としてのハトのメタファーとしての演出とのことらしいです。なるほど。いろいろ事情やら歴史やら工夫やらがあるんですねぇ。

その後、開会あいさつ~女王による公式開会宣言に至ります。花火、花火。

それから、五輪旗が運ばれます。モハメド・アリ、ダニエル・バレンボイムなども参加しています。

続き、一同起立の上、オリンピック賛歌の演奏。

 

聖火点灯 ~There Is a Light That Never Goes Out~

デビッド・ベッカムが操縦するモーターボードで、オリンピックの聖火が運ばれてきます。

ようやく会場入りする聖火。

5大会連続で五輪金メダルを獲得したイギリスのレジェンド、サー・スティーブ・レッドグレーブが運び走ってきます。

パーク建設に携わった方々500人が見守る中、7人の若者に聖火が渡ります。

この間、会場では、Two Door Cinema Clubが「Caliban’s Dream(UnderwoodのRick Smith作)」をライブで歌います。

そして、各代表団を象徴するメタル製の多くの花弁に点灯すると、その花弁が全て立ち上がり、1つの大きなトーチとなります。

 

「Olympic Cauldron(オリンピックの大釜)」と呼ばれています。「大釜」ってのはすごいですね。

点灯後、大きなトーチとなった後、花火がバンバン炸裂します。その間、Pink Floydの「Eclipse」が鳴り響きます。

 

And in the end でた!最後の大物

さぁ、オリンピックの聖火台に聖火が灯ったわけですから、まぁ、だいたいこれでお開きです。

ところが、点灯してしばらくした後、開会式の「エンディング」ということで、例のサー・ポール・マッカートニーの登場です。

トーチ点灯から、マッカートニーが歌う「in the end」までの動画がこちら↓。

 

この後、マッカートニーの「Hey Jude」に移るわけですが、なぜか、ライブで歌うマッカートニーのボーカル(および会場に流れる彼の歌)と、放送されるソースがずれていて、放送業界における世紀の大失態、といった感じで、このとき生で見ていた私も、関係者でもなんでもないのに、「あ!やってもうた」と思い胃が縮み上がった瞬間でした。

数秒で、実際のパフォーマンス・ソースを放送に乗せられたので同期したのですが、これは本当にびっくりしました。幸い、歌っているマッカートニーは気づかないミスだったようで、放送サイドがリカバーしてことなきを得た、という感じでした。これ、マッカートニー本人やバンドにメンバーに両方の音が聞こえていたら、大変なことになっていたと思います。ああ、こわい。

この曲は、当時忙しいのと子供に興味がなかったジョン・レノンが、シンシアとの間の息子ジュリアンをなかなか余ってあげてない様子を見て、マッカートニーがジュリアンを励ますつもりで書い曲だと言われています。


オリンピックの会場で、何万人ものアスリートが、なんなら世界中の何億人の人々が自分への励ましの歌を歌ってくれているのを聞いたジュリアンは、少しは、過去の父の冷たい仕打ちによる傷がいやされたでしょうか。もしそうなら、嬉しい限りです。年齢が近いので、ジュリアンに対しては相応に親近感を覚えてます。少なくとも、5年くらいの間は一心に父の愛情を注いでもらったショーンよりは、同情してあげる必要がある、と思うのですが、いかがでしょう。彼は父を二度亡くしたようなもんですからね。

結局、マイク・オールドフィールドではじまり、ポール・マッカートニーで終わった、って感じでしょうか。すごいですねぇ、大英帝国。

さて、2020東京オリンピック延期(?)の残念な気持ちを、少しでも払拭すべく振り返った大好きなロンドン・オリンピックの開会式についてのお話は以上です。

 

楽曲リストは、SpotiflyでもLondon 2012 Olympics Opening Ceremony Tracks Playlistというのがプレイリストで用意されています。

単純にコンピレーションしているだけですので、この時のライブ音源ではありませんが、まとめて聴くことができます。中には、「え、この曲どこで使われてたっけ」なんて曲もありますが。

 

なお、動画通りの楽曲のリストは以下のページで見ることができます。ある「音楽オタク」と称する個人の方のページです。以下のような前書きがありました。

他の音楽オタク同様、このブリティッシュミュージックへのトリビュート・プログラムは、すぐに「ここで使われた曲/アーティストが何曲わかるか」的競争を巻き起こした。僕同様に興味のある人のために以下にリストアップしました。

ちょっとでも使われた曲まで全部リストアップされています。すごい。

List of Music heard during the 2012 Olympic Opening Ceremony

なにより、ほとんどの曲が世界中で大ヒットしたものばかり、というブリティッシュ・ポップ・ミュージック自体のすばらしさに感動をおぼえます。

また、2012ロンドン・オリンピックのwikiページ(EN)も大いに参考になりました(日本語版とは気合が違いますね、やはり)。

 

ではまた。

 


Posted by yaozo