イギリス英語とアメリカ英語のちゃんぽんドラマ『エレクトリック・ドリームズ』
yaozoです。
今年の梅雨入りは早いですね。長い梅雨になりそうです。鬱々とした気分になりますね。
さて、そんな時こそ面白いドラマで、英語の勉強もやっちゃうのが一番ですね。
Netflixに追い付け追い越せと、HuluとAmazonプライムがそれぞれオリジナル作品に力を入れています。Amazonプライムも、最近はようやくオリジナル作品の質が上がってきたように思います。
イギリス/アメリカ英語のちゃんぽん作品『ブラック・ミラー』
特にイギリス英語が好きな方にお勧めなのが、前の投稿でも紹介した、Netflixの『ブラック・ミラー』です。
シーズン開始当初はイギリスのBBCのチャネル4が制作していたものを、シーズン途中からNetflixがチャネル4に制作委託をするという形態だったようで、とにかくブリティッシュカルチャーを強く感じさせてくれる作品です。
『ダウントンアビー』の三女のシビルを演じたジェシカ・ローズ・ブラウン・フィンドレイがいいですね。
それにしても、彼女の声、梅雨時の雨の小雨のようにカッサカサですねぇ。昨今めずらしいぐらいの超ハスキーボイス。素晴らしい。これでイギリスアクセントで話されると、またカッコイイですねぇ。
Amazon Originalsもやるねぇ。マルチカルチャーな『エレクトリック・ドリームズ』
さて、Amazonも負けていませんね。
この『エレクトリック・ドリームズ』または『フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ』ですが、Amazon Originalsですが、制作は「Sony Pictures Television Production」です。
同社は、言わずもがなコロンビアを買収したSonyが長年の艱難辛苦の末、『スパイダーマン』でようやくヒットのコツをつかんでからは、破竹の勢いでヒットを連発しているSonyのグループ企業です。この「Televison Production」は、TVシリーズでは、『ブラックリスト』『ハンニバル』『ブレイキング・バッド』『ベター・コール・ソウル』などの大ヒット作品を制作しています。
Netflixには英王室を描いた『ザ・クラウン』を、Amazonにはアンチ・ヒーロードラマの傑作『ザ・ボーイズ』を制作しています。
さて、『エレクトリック・ドリームズ』です。
https://www.youtube.com/watch?v=rvwS1bo0fu4
これは、サブタイトルにもある通り、フィリップ・K・ディックの短編をもとに制作された作品です。
で何が面白いかって、この作品はイギリス・アメリカ共同制作とのことなのですが、シリーズ1のエピソード10本のほぼすべてにおいて、主人公の片方がイギリス英語を話し、もう片方がアメリカ英語を話す、という、なんとも英米共同制作をそのまま体現しているようなドラマなのです。
複数国で共同制作される作品は昔から数多くありますが、ここまで、マンガみたいに、「イギリスとアメリカでやってまーす」「言葉も半々で話してまーす」なんていうドラマは私は初めて見ました。
俳優陣も豪華!!
メインキャストを務める俳優陣も、英米のドラマファンなら一度は顔を見たことがあるような豪華な面々。
エピソード1では、主人公の恋人役にシリーズ『アンダー・ザ・ドーム(S・キング原作)』で主役をはったレイチェル・ルフェーブル。実に毛量の多いブルネット(これくらい明るいと「ジンジャー(赤毛)」と言っていいかも)のクルックルの巻き毛が忘れられません。
エピソード4では、『デスペラード』等で脇役を務める、ぎょろ目が特徴的な俳優、スティーブ・ブシェミが主演しています。相変わらず目がぎょろぎょろしていて、それだけで画になりますね。
私の大好きなエピソード5では、『ボディガード -守るべきもの-』で主役のボディガードを務めたリチャード・マッデンがおそらくはスコットランドなまりそのままで、まくしたてます。今回は『ボディガード』でガードされていたイギリス人女優キーリー・ホーズ(『MI-5 英国機密諜報部』『危険な女刑事 バック・トゥ・80’s』等)が出ていなかったのが残念ですが、、、。
主演のリチャード・マッデンは、ダニエル・クエイグの後継で007をやってもおかしくないんではないでしょうかね。スコットランド出身ですし。ちょうどいい。
相手役の女優は今回一押しのイギリス人のホリディ・グレインジャー。読心能力者の役どころで深みのあって魅力的な演技を見せてくれています。どっかでみたことあるなぁ、とか思ったのでググったら、J・K・ローリングが別名で書いた探偵小説『私立探偵ストライク』のドラマ版で出てました。これ確かAmazonビデオで全3エピソード見ましたが、現在は「見られません」になってます。スターチャンネルで見れるようです。
最新ドラマ『ザ・キャプチャー』は、Amazonプライムからスターチャンネル無料体験で視聴できます。髪をブルネットに染めてパリッとした刑事役で活躍しているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=GGYoZfSnyfw
エピソード7では、私の大好きなグローバル・シリーズ・ドラマ『キリング』のアメリカ版『キリング ~笑みに眠る美少女』の主役をはったミレーヌ・イーノスが母親役で出ています。シアトルを舞台に移して、ずっとずっと雨が降ってましたね。そういえば、彼女は、Amazonオリジナルの『ハンナ』TV版でも準主役のメリッサを務めていました。これも『キリング』同様、ビンジ・ウォッチングしました。特徴的なお顔立ちをしているので画面に映るとすぐにあっ!と気づきます。
また、エピソード8では、かのチャーリー・チャップリンの娘、ジェラルディン・チャップリンが好演しています。相手を務めるのは、『トランスフォーマー/ロストエイジ』に出演していたアイルランド人俳優のジャック・レイナー。そして、『ドクター・ストレンジ』等、多くの大作にアジア系としてチョコチョコと顔を出している、一度見たら忘れられない中国系イギリス人俳優ベネディクト・ウォンもいい味出してました。
エピソード9では、イギリス人俳優で、『ハリーポッター』や、『ラスト・サムライ』『魔法にかけられて』などのハリウッド映画にも出演している名バイプレイヤー、ティモシー・スポールが(珍しく)主役を務めます。顔、特に口のあたりに特徴があるので、すぐに気づきます。彼を幻の街に誘う女性を演じたのが『ダウントン・アビー』等に出演していたタペンス・ミドルトン。Netflixの『センス8』にも出てましたね。『センス8』といえば、是枝監督の『空気人形』で人形役を演じたぺ・ドゥナも大活躍してましたね。ほぼ動かない『空気人形』の役とは真逆で、たくさん飛んではねて動いていてかっこよかった。
主演のティモシーは私の大好きなイギリスが誇る画家、ターナーを描いた映画最近はかなり痩せているようですが、という映画に主演しているようです。『エレクトリック・ドリームズ』も含め、最近はかなり痩せているようですが、本作ではイメージ通り、小太りの体形のままですね。YouTubeで300円で見れるようですんで、見てみようっと。
とにかく、イギリス英語とアメリカ英語をちゃんぽんで聞いて楽しみたい英語好きにはたまらないシリーズ『エレクトリック・ドリームズ』でした。とても耳に気持ちのいいシリーズでした。
2018年の作品だとのことなので、いまだにシーズン2がリリースされていない、ということは、あまり人気がなかったのか、それとも、原作のネタが尽きたから製作できないのか。
理由はさておき、『ブラック・ミラー』同様、こういうなんだかよくわからないSFものは、お金がかかるんでしょうけど、是非とも量産して、目を楽しませてほしいものです。
フィリップ・K・ディック原作ものを集めて紹介している動画↓でも見て、ビンジウォッチングするのも楽しそう。
『ブラック・ミラー』ご紹介の投稿でも書きましたが、イギリス人が普段の生活で話している英語を実際に「手加減なし」で聴き取って理解したい、という方には、「生のイギリス英語を現地の生録音」を使ってしっかりと「精聴」しよう、というコンセプトで作られている本が↓の2冊がおすすめです。
小川直樹さんと川合良平さんというに2人による、どちらかというと文化人類学的なフィールドワーク的アプローチの「現地語採取」に近い感じで、今のイギリス英語(話し言葉)を記録し、それを文字に起こし、そして解説する、という極めて面白い企画です。
まぁ、もちろん一発目は、音声だけ聞いて自分がどれくらい聴き取れるかやってみるんですが、インタビュアーがペラペラなので、対象のイギリス人もそりゃもう普通に、言葉につまったり、省略したり、訛ったりして、全く普段通りに話してくるので、わからない箇所が多いです。それを、しっかり聴き取れるプロが、文字に起こしてくれてるわけなので、「へ~なるほど、そうやっていってるのか。わかんなかったよ」というAHA体験が味わえます。
私にとっては、大変貴重なイギリス語学習の教材です。
RedとBlueがあります。
ではまた。
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