村上春樹について

芸術

yaozoです。

そこそこ長い村上春樹のファンです。『ノルウェーの森』の赤・緑の鮮やかな上下巻が書店の入り口に平積みにされていた光景は今でも目に焼き付いています。

最もご本人はそこから、もろもろの面倒事が爆発的に増えてしまい、国外に出ることになったようですが、、、。

ブログに村上春樹作品について書くファンは多いのではないでしょうか。

いまや世界中にファンを持つ村上春樹ですから、それは日本語のブログとは限らないでしょう。

ブログ記事100本目

今年2019年の3月から書き始めたブログもようやくこの投稿で100本目となります。

1本、大体3,000文字ぐらいをガイドにして書いていますので。30万文字ぐらいはかいたことになるでしょうか。

少ないもので1,000文字未満のものもありますし、おおいと8,000文字ぐらいと、誰が読むんだ、ってぐらい書く時もありますが、まぁ、3,000文字ぐらい書いてしまったら、無理やり終わるようにしています。

よほど面白いものや、自分の今の問題意識とジャストフィットするものでもなければ、誰もそんな長いブログ読んでくれないでしょうからね。

かくいう私は、なんとなくサーフィンして読むのではなくて、テーマ狙い撃ちでブログを読みますので、3,000文字ぐらいでも全然平気で読みます。そもそも読書好き、活字好きですので、苦になりません。

ということで、自分にとっては記念すべき100本目のブログのテーマは、大変なファンであるにもかかわらず一度も書いたことのない、村上春樹について書いてみようと思います。

 

『ノルウェイの森』から

私がはじめて村上春樹の作品を書店で見かけたのは、大学生のころ、『羊をめぐる冒険(1982)』だったと思います。

しかしその頃の私は、心理学、精神分析に傾倒し、前の投稿にも書いたように、伊丹十三さんやその周囲の才人のものを見たり読んだりしてとても忙しかったので、文学作品には手を出していませんでした。

加えて、ちょうど「ニューアカデミズム」なんてものが流行っていて、なにかこう哲学を読む方がいけてるような空気があったことをおぼえています。無論、ニューアカ系のものは、読むもの読むもの、一体全体なにが書かれているのか全くわかりませでした。

 

で、社会人になってから、『ノルウェイの森(1987)』が出版されたのですが、新聞の広告欄で、空前の大ヒットであることが喧伝されておりました。

新聞を手にしていた先輩が「すごいなぁ、村上春樹」なんていうので、私は、「なんか、軽々しそうで、ぼくはいやですね」なんて知ったような口をききました。

すると先輩が「読んだ頃ないんだろ。読んだことないんだったら、そんなこと言っちゃだめじゃない?」と言ってくれました。

そりゃそうです。

その頃の私は、村上作品がヒットしてるのは、相応に知ってはいたのですが、どこかで批判的な書評かなんかを読んだのかもしれませんが、勝手に「都会派のシティボーイ小説」などと勘違いし、食わず嫌いをしていました。

今思うと、表紙のデザインに起用されていた佐々木マキさんによるイラストがあまり好みじゃなかったのですね。

それは今でも変わりません。

 

ま、ともあれ、その時私が考えていたのは、「自分の音楽的ルーツとしてのビートルズ、ツェッペリン、キング・クリムゾン」vs「そのころ流行りだしていた軽薄なポップス」という構図を、勝手に村上作品にあてはめて、その頃好きで読んでいた「三島由紀夫」vsであるところの「軽薄な小説」だ、と決めつけていました。

今考えるとほとほとばかげていますが、若さゆえということで許してあげています。

ともあれ、大ヒットしている『ノルウェイの森』ってのを読んでみようじゃないか、ということで早速書店で上下巻買ってみました。

タイトルもビートルズの楽曲を引用してますし、あの赤と緑のブックデザインも斬新だったですしね。

で、衝撃を受けることになります。

簡単ですね。一瞬でファンになってしまいました。

それから早速、先行する4つの長編小説と手に入る限りの短編小説、エッセイ、対談などあらゆるコンテンツを読みまくりました。

もう完全に村上春樹ファンになっていました。

これまで、いわゆる純文学にもエンタメ小説にも感じたことがない愛着を感じたのです。

その後は、「ダンス・ダンス・ダンス(1988)」から、出版日当日に書店で買うという典型的なハルキストになっていました。

その後出版された「国境の南・太陽の日(1992)」は今でも私のファイバリットベスト3に入る大好きな作品です。



英語版とオーディオブック

私は、村上春樹の小説は日本語版を読んだのちに、大体1年後ぐらいに発売される英語版も買って読んでいます。

英語の小説を、勉強ではなく、純粋に楽しんで読めるからです。

また、英語版のオーディオブックもいくつか買いました。

英語圏では、我が国と違ってオーディオブックが盛んなようで、大体の長編はオーディオブックで聴くことができます。

短縮版でないので、10時間以上とかなりの長尺になりますので、全部を一度に聴き通すことはできませんので、ぶつぎりで少しづつきくのです。

読み手のキャラクターも様々なので、オーディオブックも独特の楽しみ方ができます。

『神の子どもたちはみな踊る』なんて、短編ですので、聴きやすいです。最初に買うにはおすすめです。

 

村上作品の映画化

この作品は、村上作品にはめずらしく映画にもなっています。

 

また、日本で舞台にもなるようです。あまり、フォーマット変更を許可しない村上にしては珍しいなぁと思っています。

https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b1935261

 

そういえば、『ノルウェイの森』も日本語で映画化されていましたね。

村上が監督のトラン・アン・ユンの作品を好きだったから、OKしたらしいですね。

映画館まで見に行きました。

色彩がきれいでした。キャスティングについては、読み手それぞれの頭の中に人物像がすでにできあがっているでしょうから、なかなか難しいですね。

私としては、どの主要人物も、自分のイメージと違いました。

とはいえ、それと作品が楽しめるかどうかは別の話なので、楽しく見させてもらいました。

 

『ハナレイ・ベイ』も映画化されていますね。

これはまだ見ていません。機会を作ってみてみようと思います。

吉田羊は良い俳優もいいですしね。

 

『納屋を焼く』も『バーニング』と改題されて、韓国映画として製作されたようですね。今年2019年の2月に公開されたばかりとのこと。これもまだ見ていませんので、楽しみです。

 

そういえば、随分前に『トニー滝谷』も見たことがあります。

これはDVDを借りてきて見たように記憶しています。

市川準監督です。

 

あとは、短編『土の中の彼女の小さな犬』が『森の向こう側(1988)』に、そして『風の歌を聴け』が1981年に同タイトルで映画化されているようです。

特に『風の歌を聴け』は、村上が作品を見た後の落胆がすごくて、後の映画化拒否症の引き金になったと、どこかでよんだことがある気がします。

私は実際に見たことがありませんが、どうなんでしょう。

 

新作を待つ

長編作品『騎士団長殺し』が2017年ですので、長編が6-7年に1本というこれまでのペースをそのまま当てはめて考えると、次の長編ははやくても2023年ということになります。

それまでの間に、短編や中編、エッセイ、対談集、翻訳などがポロポロと出版される、というのがこれまでのルーティンです。

実際、『騎士団長』以降、翻訳がいくつかと、川上未映子との対談集『みみずくは黄昏に飛びたつ(2017)』、『猫を棄てる - 父親について語るときに僕の語ること(2019/6)』や、短編『With the Beatles (2019/8)』『ヤクルト・スワローズ詩集(2019/8)』が出ています。

最後の短編2編はいずれも『文學界』の2019年8月号で発表された、現時点で最新のフィクションです。


 



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Posted by yaozo