山田玲司先生の天才的論評で日本の偉大なコンテンツが、シニアに腹落ちするという話:PART2

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yaozoです。

前回の投稿で、かの「エヴァンゲリオン」をシニアが楽しむための最良のガイドコンテンツとして、「山田玲司のヤングサンデー(YouTube)」での解説を、岡田斗司夫ゼミでの解説と合わせてご紹介しました。

はじめは「エヴァンゲリオン」の理解のために、『山田玲司のヤングサンデー』を見始めたのですが、なんのなんの、別のコンテンツに関する解説動画もどれも素晴らしいものばかりです。

なかでも感激したものを3本厳選して、ご紹介します。

 

美少女戦士セーラームーンも、こんなに深くて重要な作品だったのか

まずは、エヴァンゲリオンとほぼ同時期に、日本中を、そしてほどなくして全世界を席巻した(「美少女戦士セーラームーン」です。

1992年に少女漫画誌『なかよし』で連載がはじまったとのことなので、エヴァより若干先行してスタートを切ってますが、ほぼ同時代作品として位置付けて良いと思います。

私は、この作品については、エヴァンゲリオンと違って、マンガもアニメもほぼ何も見てないに等しいものです。

(娘ができたので、「プリキュアシリーズ」は4シーズンぐらい見ることになりましたが)

しかし、ほぼ見てない私にも、なるほどなぜこの作品がここまでのお化けコンテンツになり、今でも世界中のファンに影響を与え続けているのかということを、得意の文化人類学的手法を駆使して、スパッとわからせてくれます。もちろん異論もたくさんあることでしょう。

しかし、ひとつの解釈としては、全く破綻の見られない優れた論評となっています。あぁ、すっきりした。

まわりの、80年代生まれの女性に対する見方が大きく異なりました。がんばれ!オレもがんがる、ってね。

ということで、これらのコンテンツに疎遠だったシニアも、↑のコンテンツをゆったり、だらっと見ていると、大体のことがわかっちゃいます。

山田先生の分析が素晴らしいのは、あるコンテンツ、この場合セーラームーンなわけですが、それを解説する、という際に、その前後の時代、そして、今現在までに至る「道筋」といった「経時的解釈」を示してくれるとことですね。

どんなコンテンツも、時代の流れの中で、孤立無援にポツンと現れて消えるわけがないので、当たり前と言えば当たり前なのですが、山田先生の場合、そのストロークが極めて長いところに特徴があるように思いました。

私自身が、山田先生の数歳だけ上ということもあって、時代背景について、いちいち「そうだった、そうだった」とリアルタイムな記憶がよみがえり、山田先生の鋭い分析能力に恐れ入るわけです。すごいなぁ、しかし。

 

仮面ライダーとはなんだったのか。そっかそうだったのか。

続いては、これも、私が山田先生とほぼ同時代で経験している「仮面ライダー」です。

先生は、手塚治虫先生のマンガ入門書(初版)をお持ちで、手塚先生の特集番組内で、年期の入った私物をご紹介いただきました。

これとあわせて石森章太郎先生バージョンのマンガ入門書も買ったとのことです。この2冊はかつてのマンガ家志望の少年少女のバイブルだったらしいです。

実は、私もこの本を小学生のころに持ってました。

私自身が買ったのか、同じくマンガ好きだった兄が買った物だったのか、今となっては記憶が定かではありませんが。

ともあれこの本は、少なくとも、私が漫画家にはなれないことを、ほぼ一点の曇りもなくわからせてくれた、という意味で、大変貴重な本でした。マンガは書くものではなく、読むものだと小学生ながら強く思ったものでした。

長じて私は、アルコール性の慢性膵炎をこじらせて、急性膵炎に至り、救急車で病院に緊急搬送されたことがあります。

膵炎というのはとても痛みが激しく、痛みの余り失神して搬送される人も少なくないそうです。私もご多聞にもれず、体の芯から壊れるんじゃないかとおもうほどの痛みに襲われました。まずはモルヒネで痛みを和らげつつ、ICUで施術に入りました。

今もピンピン生きているので、もちろんこの時の施術は成功したわけです。しかし、詳細は省きますが、その施術はとにかくとてもとても痛いもので(鼠径部にチューブを刺して薬を直接膵臓に入れて云々と、以下省略)、麻酔なしには常人に耐えられるものではありません。よって、ICUで過ごした二週間の間ずっと、モルヒネでほぼ意識をなくされた状態にいました。

あまり深く意識をなくしてしまうほど大量にモルヒネを投与すると、今度は生命維持に支障をきたすので、体が動かせず、夢を見てる位の感じでキープされていたそうです。

しかし、この加減が難しく、少し痛みの方が勝つと、自分で起き上がって体のあちこちに刺さっているチューブを抜こうとして大騒ぎするのです。その際は、看護師さんたちが飛んできて、私を押さえつけて、モルヒネの量を増やす、といったことを繰り返していました。挙句の果てには、手足を縛られるようになりました。このときの経験から、閉所恐怖症をこじらせてパニック障害を患うことになるわけですが、そのあたりは過去の投稿に書きました。

ともかくICU内での施術時に、モルヒネのせいで頻々と幻覚を見ることになるわけですが、それがまさに、仮面ライダー1号本郷猛が、番組冒頭で手術台に乗せられ、悪の組織ショッカーに改造人間にされるというイメージだったのです。

「仮面ライダー本郷猛は、悪の組織ショッカーに~」という例のナレーションが入るシーンですね。

↓こんな感じ。

ちょうど、某団体が地下鉄に毒物をまき散らした事件の後だったことも影響してか、そういった関係の組織が私を手術台に乗せて、ショッカーよろしく、私を改造しようとしている、といった幻覚を見ていました。

救急搬送された際には、優しそうに見えた担当医や看護師さんたちが、なんと悪の組織の手下だった、というわけです(幻覚の中では)。ショックでした(幻覚の中では)。

まぁ、なにが言いたいかというと、そういった危機的状態における幻覚に出てくるくらい、私にとって仮面ライダーというのは、心の底の底まで染み込んで住み着いている作品だということです。

そんな重要な作品を、この作品が生まれた時代背景、石森章太郎先生(私も、山田先生同様、「石ノ森章太郎先生」というより「石森章太郎先生」の方がしっくりきます)の作家としてのクセ、など多角的な視点から分析してくれており、非常に気分の良いものでした。

なので、↑の動画は、同年代のシニアの方々に特に見て欲しい1本です。

私はその後、断酒に成功し、息子にも恵まれました。その息子は、まんまと平成ライダーに凝るようになり、様々なドライバー(昭和ライダーでいう「ライダーベルト」)を買わされました。私が夢にまで見ながら、一度も買ってもらえなかったライダーベルトです。まぁ、良くある話ですが、過去の自分に買ってあげるつもりで、毎シーズン、新しいドライバーが出るたびに買ってあげました。平成ライダーはマーチャンダイジング戦略で、各シーズンにライダーが2人出るので、どうかすると、2人分買わされるシーズンもありました。

仮面ライダーのみならず、レゴシリーズやベイブレードをはじめ、いろんなものに興味が広がる息子で、仮面ライダーを見なくなった去年あたりから、いくつかどうしてもとっておきたいものを残して、ほとんどのドライバーはメルカリで売りました。

などと私本人だけでなく、息子の人生にまで影響を与えている石森章太郎先生の代表作の1つ仮面ライダーは、山田先生の分析ですっきりさせていただきました。

 

山田玲司先生の天才で、「男はつらいよ」の核心を知る

最後は、寅さんシリーズです。

 

ここでは、寅次郎という人物に対する考察、渥美清さんに関するお話、そして山田洋二監督の寅さんシリーズに対する姿勢等(小津監督との類似点の指摘なども、「そっか」などと膝を打ちました)、愛情あふれる視点で、たっぷりと語ってくれています。

山田先生ご自身が、お母さんのご実家がまさに葛飾でお店をやっていたということで、完全にこの舞台については血肉かされているということです。番組内では「オレが満男なんだよ!」とおっしゃってます。

また、妹の「さくら」が現代にまで続く、「妹萌え」の原型であり、最高到達点である、という指摘は正に至言だと思いました。私も(なんならうちの娘も)映画版第一作のさくらの愛らしさというのは、映画史に残る圧倒的な美しさを表現していると考えています。

東京物語の原節子が、父にとっての娘の理想形であるのと相似的関係にあるように思います。

うちの娘は原節子演じるお嬢さんとは正反対で、まさに問題の「中2」ど真ん中でもあり、とてもとても手がかかります。とはいえ、口もききますし、Tシャツをシェアしたりする中なので、随分ましな方だと思います。よそのご家庭はもっと全然ひどいらしいです(娘いわく)。

とはいえ、父としての私が、いくつか自慢したい彼女の美点の1つとして、寅さんシリーズの大ファンであることが上げられます。彼女は、huluやらBSTVやらを駆使して、私の知らん間に、全話見てます。私よりも熱心なファンだと思います。

私も、当然大ファンです。

NHKでやってた「少年虎次郎」も、娘と二人で何度も見ました。これもよかったですねぇ。

虎次郎の育ての母役の井上真央さんが何といっても素晴らしかった。私、この役者さん、ほとんど見てないですけど、とても良いですね。毎熊克哉さん(この方、初めて見ました)演じる父親役があまりにひどすぎて、このドラマに極めて大きなダイナミクスを作り出してましたね。いやあ、本当にひどかった。

ともあれ、男はつらいよシリーズのファンで、まだご覧になっていない方は、是非おすすめします。いやぁ、無論、山田洋二監督の原作小説がよかったんでしょうけど、NHKも頑張ったと思います。虎次郎役の子役は、よくもまぁ、こんだけ似てる子連れてこれたなぁ、という、ここだけとってもすごい。

https://www.nhk.or.jp/drama/dodra/torajiro/

 

映画『お帰り 寅さん』については、製作途中の山田洋二監督を追うドキュメンタリー番組さえみてたのに、ついつい劇場に足を運びそこなっているうちに、非常事態宣言となってしまいました。

DVD買ってみてみようかと思います。


ちなみに山田先生は、↑のポスターと、ヴェンダースの「ベルリン天使の詩」のポスターの類似性も指摘しています。そういうことだったか。

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エヴァンゲリオンTV版はNetflixで、男はつらいよシリーズはhuluで、それぞれ見ることができます。

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Posted by yaozo