Netflix「After Life」で学ぶイギリス英語 その6

イギリス英語



Netflixの人気オリジナルドラマ「After Life」で楽しくイギリス英語を勉強しましょうというシリーズ企画。今回はその第6回です。

s1e2で聞くことのできるイギリス英語ならではの表現をピックアップして解説していきます。

cuppa

Cambridge Dictionaryでは、UK INFORMALとされており、意味は「a cup of tea」。ドラマの中のように、「cuppa tea?」とも使われます。こちらの方がやや丁寧なのでしょう。

 

hiding

And f***** give him a good hiding.

一発ぶんなぐってやるつもりだ。

 

「give a hiding」とくれば、まずは「隠れる」の「hide」ではないことは自然と察せられますが、日本語字幕に変えて確認してみると、「一発なぐる」と言う意味だとのこと。Oxford Living Dictionaryで調べてみると、一番目に、informalで「A physical beating.」とあります。2番目には「The action of concealing someone or something.」とありました。なるほど。

とはいえ、なんでまた「hiding」が「ぶんなぐる」になるのか判然としないので、今度は「hide」を調べてみました。「隠す/隠れる」というよく知られた動詞としての意味以外に「(leatherを作るための)動物などの分厚く頑丈なskin」を指す名詞用法があることがわかりました。おそらく、からだの中身を隠す/覆う、というような発想から意味変化したものと思われます。

そしてこのhideで作ったwhipを使って打つ、という意味の動詞に変化して、さらにこれが動名詞化したものがhidingだろうということがわかりました。元来の意味から3段ぐらい飛んでますね。

 

dunnit?

これも以前に紹介した「dunno」と同様、音そのままを表記した「言文一致体」のスペルです。

So, everything moves on, dunnit?

そりゃ、なんでも変わっていくもんだよな。

この場合、正確には「doesn’t it?」なのですが、実際、悠長に「ダズンティット」なんて発音せず、「ダニッ?」と言っていますので、このスペルが採用されているわけです。

 

Quid

イギリスの貨幣単位はニックネームがついていますが、このquidは1ポンドを指します。実際日常会話では、「it’s one pound.」などよりも頻繁にquidが使われるような印象です。

 

Get me, err twenty quids’ worth.

え~と、20ポンド分買ってきてくれ。

自暴自棄になっているTonyが、新聞配達員で薬物中毒のJulianに、自分用にもなにか適当に買ってきてくれと「お使い」を依頼する時のセリフです。



 

Blimey

イギリス英語固有の感嘆符です。weblioでは「しまった!」「これは驚いた!」「とんでもない!」という訳をあてています。驚いたときに「God blind me」といっていたのが短縮されてblimeyになったといわれています。英米では、あまり神やイエスに関連する言葉を直接口にするのは不謹慎だと考えられてきました。「Oh , gosh!」なんていうのも「Oh, God!」の婉曲表現ですね。

The beach boysの名曲「God only knows(1966)」について、作者のBrian Willisonがインタビューの中で語っていましたが、「当時は、ポップソングに『God』なんて言葉を使うのはタブーだったんだ。おそらく僕が最初だと思うよ」とのこと。

 

完全な口パクPVですが、Brianが病気で表舞台から退いていたことのBoysの貴重な映像です。

 

blimeyに戻ります。TonyとLennyは「鼻の穴に2本のリコーダーを当てて演奏することができる」というニートの男性を取材させされているわけですが、このblimeyは、Tonyから「どれくらい練習したの?」と聞かれて、本人が「何週間もかかりましたよ」と答えた後に、その母親が続けて言った言葉です。

 

Blimey. Did me head in.

いや~、そりゃ大変だったわよ。

 

Do somebody’s head in

Did me head in という4つの単語は、なんなら小学生でも知っていると思いますが、これがつながると全く意味が分かりませんね。この種の「英語の大和言葉」にあたる、古い英語が実は非ネイティブにはとても難しいです。特に組み合わさったイディオムとなると全く想像がつきません。逆にラテン語やフランス語起源のシラブルの多い単語の方が、何かと何かの組み合わせでできているので、知らない漢字を部首で想像するような要領で推察しやすいです。

ともあれ、Cambridge Dictionaryで「do sb’s head in」と調べると、ちゃんと出てきました。

UK INFORMALで、「to make someone feel confused or unhappy」とあります。なぜそういうことになるのかについて調べましたが解説は見当たりませんでした。おそらく、文字通りのことを絵にして考えてみると、誰か/何かに、頭を上から叩かれて、頭が胴体に埋まった(in)状態を表現しているのかなぁ、ということが推察されます。

ちなみに、BBCの「The English We Speak」という英語教育コンテンツでも、イディオムの1つとして取り上げられていました。

http://www.bbc.co.uk/worldservice/learningenglish/language/theenglishwespeak/2013/07/130709_tews_131_doing_my_head_in.shtml

 

Brother

このドラマで、新人記者Sandy役を演じているのはMandeep Dhillonというインド系イギリス人女優です。Gervaisとは、彼が脚本・監督・プロデュース・主演をつとめたBBC制作の映画「David Brent: Life on the Road」にも出演しています。暗いトーン一色で覆われるこのドラマの中で、生命力のようなものを感じさせてくれる数少ない要素を提供してくれています。

編集部の決して明るいとは言えない雰囲気に、新人のSandyが困っているだろうという親切心で話しかけたところ、Sandyが「私の子守はいりませんよ。私、静かな雰囲気好きですから」といった後に、このように続けます。

I live at home with my mum, dad, brother and sister, so the house can be quite full of life.

私は、母、父、兄弟姉妹と住んでいますので、にぎやかなのは家だけで十分です。

 

ポイントは、このbrotherの発音にあります。ロンドンのcockneyの典型的な訛りで、「th fronting」という変形ルールで、「θ」は「f」に、 「ð」 は 「v」 に変化します。

なので上の例では、brotherが「ブラヴァ」と発音されるわけです。Motherは「マヴァ」です。確かYouTubeでイギリス人男性が紹介していた動画を見てしったのですが、本当にびっくりしました。また、同様に、thank you は「ファンキュー」と発音します。

彼女が、下町の生まれであることがわかります。

ところで日本人をはじめ多くの英語学習者を悩ませているこの「th」音については、「発音が難しい」という理由で、2066年には消えてしまうのではないか、と予想する言語学者もいるようです。やがて「F」や「D」「V」などの簡単な発音に置き換えられるのではないか、とのこと。私たち日本人は自然と「S」音に変えてしまいますよね。こういったことがグローバリゼーションの影響で発生するのではないか、ということです。

 

長くなってきたので、続きは次回に。

 

英語学習については、高額なスクールに通う前に、かなり計画的に学習誘導してくれるような、自学ツールでコツコツやるのも一つの手ではないでしょうか。 ちなみに、うちの中一の娘はこれで英語頑張ってます。

 

 

 








Posted by yaozo