“God speed you!” ってどういう意味?
yaozoです。
内田樹先生のブログを読んでいたら、最後に「God speed you.」という言葉で締めくくられていました。(「高校生へひとこと 2018-07-31 mardi」)
God speed you! Black Emperor
私がこの言葉を初めて聞いたのは、カナダのポスト・ロック系のバンド名「God speed you! Black Emperor」の中でした。
5-6年前に「ポスト・ロック系」と呼ばれるジャンルを集中的に聞いた時期があります。ポスト・ロックというのはその名の通り、従来のロックのイディオムに沿わない形式でクリエイトされるロック的な音楽を指します。「ベタなロックの進化系」ぐらいの意味になるわけです。
ベテランのロックファンであれば、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの影響を強く受けている音楽であり、元ピストルズのジョン・ライドンが結成したパブリック・イメージ・リミテッドがその先駆的存在だと言えば、なんとなく感じが掴めるのではないでしょうか。
代表的なバンドの中で私がよく聞いたものは、トーク・トーク、ステレオラブ、トータスや、2000年代だと、モグワイ、シガー・ロス等があります。
ポストロックを聴くようになったきっかけは、よく憶えていないのですが、おそらくは、以前の投稿でも紹介した北欧ドラマ『The Bridge/ブリッジ』を見ていて、デンマークのポストロックバンド「Choir of Young Belieivers」が歌う主題歌『Hollow Talk』を耳にしたあたりからだったかと思います。
ドラマの冒頭のシーンに流れるこの曲が、ドラマと極めてうまくマッチしていて、のっけから、ワクワクさせられます。
もちろんテーマソングもとてもいいですが、このドラマ本編は本当に私好みで、何回も見たくなるドラマです。
吹き替え版が苦手な私ですが、この作品は(英語ではないこともあり)シーズン4まですべて日本語吹き替えで見ました。
オリジナルでは「デンマーク/スエーデン間」にかかる橋だった舞台設定を、「イギリス/フランス間」そして「アメリカ/メキシコ間」に移して、リメイク版が作られました。全部見ましたがどれも面白い。
北欧ドラマは、私が007シリーズのファンなので、ダニエル・クレイグが出演しているということで、珍しく映画館までわざわざ見に行った『ドラゴンタトゥーの女(2011年)』を皮切りにみるようになりました。『キリング』『ブリッジ』『特捜部Q』『刑事ヴァランダー』と素晴らしい作品がたくさんあります。「スカンジナビア・ノワール」などと言われるジャンルのようですね。大好きです。
そして、北欧ドラマのマイブームと並行して、ポストロックも聞くようになったというわけです。
といった経緯で、この「God speed you! Black Emperor」というバンドに行き当たりました。
このバンドはポストロック界の中でも特に有名なバンドの1つなので、主要なアルバムは聴きました。具体的なサウンドのイメージをつかんでもらうために、ポストロックらしい曲『Moya』をライブバージョンで↓。
彼らは、1994年にカナダのモントリオールで結成されており、その名はなんと、1976年に公開された日本映画『ゴッド・スピード・ユー!BLACK EMPEROR』から採用したと言われています。
ポストロック系バンドを調べていた時に、このバンドを見つけ、バンド名の由来がこの日本の映画タイトルであることを知りました。
YouTubeで検索すると、このポストロックバンドとこの日本暴走族のドキュメンタリー映画の両方が混ざって出てくるので、かなりの違和感があってびっくりします。
『ゴッド・スピード・ユー!BLACK EMPEROR』
その映画も、今ではなんとYouTubeで英語字幕付きで全編見ることができます。
と書いておいたのですが、2021年8月現在見れなくなってます。私のせいでしょうか、、、。とりあえず、予告編動画だけでも↓
この映画は、日本で最も有名な暴走族といっていい「BLACK EMPEROR」を扱ったドキュメンタリー映画です。この名前は、私ぐらいの年齢なら暴走族の代名詞といっていいくらい誰でも知っています。
自主制作され限定公開され、暴走族が大挙して来館して話題となったことから、35mmにブローアップして東映系で本格公開されたとのこと。
DVDも発売されているようです。
ここで取材されている方も、もうすでに十分大人になられているでしょう。すっかり、社会に貢献している良い市民になっている方も少なくないのでは。
私の近くにも、紆余曲折を経て更生されたのち、立派な市民となり、超大型のモーターサイクルに乗ってツーリングしている方が相当の割合でいらっしゃいます。髪型で主張してますので、初対面でわかりますが。
ちなみに同時上映は『暴走の季節(主演:岩城滉一、1976年)』『暴力教室(主演:松田優作、1976年)』との3本立てだったらしいです。こりゃそういう方々は全国でみんな見に来るわ。
前者に主演している岩城滉一は、矢沢永吉のバンド、キャロルの解散コンサートビデオ(『燃え尽きるキャロル・ラストライブ』。昔はビデオ版を、現在はDVD版を持ってます)で、「クールス」の一員として舘ひろしと一緒にバイクに乗ってます。
「God speed you」という言葉がこの暴走族映画に由来しているということから、
私は(辞書を調べることなく)自分なりの勝手な解釈をして、
これは「God bless you」のかけことばで、「スピード」に酔いしれる若者たちを賞賛する意味で使われており、「神があなたたちにスピードをあたえますように」
というような意味だと、思い込んでいました。
「God speed you」の本当の意味とは?
で先日、内田先生がブログ内でこの言葉を、「スピードの話とは全く関係のない文脈」で使っているのを読み、これは↑の映画でかけことばで作られた造語ではなくて、ちゃんと元からある言葉なんだ、ということに気づき、遅ればせながら検索してみました。
結論を言うと、答えは、「God bless you」と同じ意味でした。
yourdictionary “godspeed” のページには、↓のように
Used to wish someone success or good fortune, as on a journey.
「誰かが旅をするにあたって、うまくいくように、幸運に恵まれますようにと祈念すること」
とあります。
weblioで調べると、「speed」の語源は「spede」という中期英語だったようで、
spede = prosperity, good luck, quickness, success
というような意味で使われていたとのこと。
ここであげられている「spede」の、4つの意味のうち3つが、単に「なにか良きこと(繁栄、幸運、成功)」を表すことばであり、現在、我々が第一想起している「素早さ」という意味は、どちらかというとマイナーな用法だったようです。
一方、現在の「speed」の意味をWiktionary で調べてみると、ようやく8番目に(archaic=古い文体)として、「Luck, success, prosperity」と出てきます。
だから、現在ほぼ使われない昔っぽい用法だよ、と言っているいわけです。
「成功や物事がうまくいくこと」が、「迅速さ」に変化したというのは、障害物に足止めをくうことなく、最短でゴールに到達できる、といった意味から、「早く着く」→「早い」と意味が変化したのでは?と想像できます。
やがて、旅に関わらず、「じゃまが入らずに事が運ぶ」という意味の「迅速」が、使用範囲が広いですから、主要な用法になっていったのかもしれません。
使える局面が多様な用法の方が、1つの言葉の異なる意味の間の「競争」において、有利に働くのでしょう。
なるほど、そういうことだったんですね。知ってるつもりになってた言葉の本当の意味を、5~6年経ってからようやく知りました。
こういうことがあるので、やはり新しい表現に出会ったら、勝手に「もじってる」などと思わず、「ちゃんとした言葉」をかけているのでは?と、とりあえずは疑って、ちゃんと調べる癖をつけねばならないなぁ、と思った次第でした。
といった紆余曲折を経て、
『God speed you! Black Emperor』という映画のタイトルは、そもそもこのタイトルの命名者(監督?)が、「Black Emperor~」を題材にした映画のタイトルを考案する際に、「God speed you!」という表現を知っていて(すごい!)これが、暴走族を扱う映画の内容に「かかっている」という判断で、「こりゃいいや!」ということで採用したのだろう、ということがようやく推察できます。
さて、話を冒頭に戻して、内田樹先生ですが、読んだことがない方は、まずは新刊はどうでしょう。読みやすいですよ。元気もわいてきたりします。
だから、わりに読書によって「実利的効用」が感じられる稀有な作家の1人かと思います。
面白かったと感じた方は、↓のような要書を手にしてください。これも難しいことを、実に簡単な言葉でわかりやすい理屈で解説してくれています。読後感が気分がいい。スッキリしたい人にお勧めします。
映画好きの方なら、↓こんな本で内田先生の博覧強記に触れてみるのも一興かと。
ともあれ、内田先生のブログを読まなかったら、この先ずっと(なんなら死ぬまで)、この表現を誤解したまんまだったわけです。いろいろ読んだり調べたりしてみるもんですね。
英語の基礎力をつけるには高額なスクールに通う前に、かなり計画的に学習誘導してくれるような、自学ツールでコツコツやるのも一つの手ではないでしょうか。
ちなみに、うちの中一の娘はこれで英語頑張ってます。
頑張れ不登校娘!
※追記:なんでこのページがここまで人気があるのかわかりません。
実は、このページ。これを書いている2019/12/25時点で、Googleで「god speed you」と調べると、1位で表示されます。
また、私のこのマイクロなブログの中でも、かなりの人気投稿で、毎月驚くほどの数の方が訪問してくださいます。
ところが、それがなぜか全くわかりません。考えられるのは、以下のセグメントです。
英語の好きな人:”God speed you.”というフレーズについて知りたい。
音楽の好きな人:「God speed you, Black Emperor(バンド)」について知りたい。
暴走族が好きな人:『God speed you, Black Emperor(映画)』について知りたい。
上の全部について知りたい人。
といった4者1択かと思います。
でも謎です。
どなたか、コメント欄で、このページを閲覧するにいたった動機について教えていただけないものでしょうか?
ほんとに不思議です。
ではまた。
ディスカッション
コメント一覧
こんにちは。
Godspeed を調べていたら、ここに着きました^^
なぜこの単語を調べたかというと、映画Ghost に、この単語が出てきたからです。
映画やドラマを見る時は、聞き取った単語をメモして後から調べています。
いろいろ参考になりました。ありがとうございます!
なるほど、Ghostですか。デミ・ムーアのゴーストであってますよね?
なつかしいですね。何度か見てますが、聞き逃してます。
情報共有ありがとうございました!!
なーるほどねー
記事拝見しました。大変納得のいくものでした。
こちらに伺ったのは、映画「ザ・ロック」でメイスンがスタンリー・グッドスピードに
“グッドスピード”というファミリーネームが「旅の安全を祈る」という意味だと告げるシーンからです。
多分、同じ方が結構居られるのではないでしょうか。
あれま、そういうルートもあったんですね。コネリーですよね。映画見てみます。
情報共有ありがとうございました。
ほんとに沢山の方が、多様な理由で読んで下さり、嬉しい限りです。
GODSPEED YOU! BLACK EMPERORのニューアルバムリリースのアナウンスがあったので、その流れでこちらたどり着きました。内容すごく面白かったです。
https://circuitsweet.co.uk/2021/03/godspeed-you-black-emperor-announces-new-album-g_ds-pee-at-states-end-due-2nd-april-via-constellation/
お!音楽系の検索で訪問していただいたんですね。内容お褒めに預かりとってもうれしいです。
また、情報共有もありがとうございます。しかしまぁ、2021年4月2日にリリースのニューアルバムのタイトル「G_d’s Pee AT STATE’S END!」というのもなかなかなタイトルですね。一応「_(アンダーバー)」入れてありますが、これが別の文字ならおそらくリリースできないんでしょうね。そりゃそうだと思います。さすがというかなんというか、、、。
日本の元Black Emperorの方々も顔負けの「ルール無用」な感じで迫力ですね。
レスありがとうございます!後で気づいたのですが、yaozo100様のこのサイト、別ルートでも閲覧させていただいていました。というのも、英検一級取得にも興味があり、何度か拝見させていただいてました。他にも、ギターも少し弾きますし、映画Black Emperorの舞台となったエリアも地元ですし、とか諸々(トーク・トークに関しても)仕事中ですがつい盛り上がってしまいました。
戸山ハイツ様
アイデアに富んだお名前ですね、そもそもw
英検投稿も読んで頂いていたとは、それではもう、お得意様じゃないですか。ありがとうございます。
また、ギターやトークトークなど、いわんやBEの地元ご出身の点まで考えると、相当の確率ですよね。マッチング最高ではないでしょうか。今後とも宜しくお願いします。
英検1級トライされているようでしたら、是非お励み下さいませ。
私の感覚では、準一級を高得点でクリアできれば、もう一息でいけると思います。
今後も、英語関連の投稿頑張りますので、また検索ヒットしましたらw 宜しくお願いします。
宜しくお願いしてばかりで恐縮です。
お仕事終わりギリ前のコメントとのことでしたが、私は今日は仕事で相応に嫌な事もあり、週明けまで心配を持ち越しするはめになってましたが、戸山ハイツ様のコメントで、週末は心配が激減して楽しく過ごせそうです。感謝します。
あーありがたや、ありがたや。
お仕事お疲れ様でした。金曜日に仕事で嫌なことがあると、週末楽しめないって、よくありますよね。でも週が明けると意外にどうでもよく思えたりもします。私の場合だけかもしれないですが。
英語の件、アドバイスありがとうございます。投稿大いに参考にさせていただきます。
他にもイギリス英語についての投稿なども大好きなトピックでした。今後はちょくちょくコメントさせて頂きたく、よろしくお願いいたします。
おおっ!イギリス英語もお好きですか?!それはそれは、嬉しい限りです。
燃えてきましたよ〜。最近忙しくてかなりサボってましたが、これからはまた自分を盛り上げて頑張ります!!
お世話になっております。
突然ですが、
英語学習に関する質問をさせてください。
英検1級とTOEIC900超えを目標にしているのですが、
その場合の道筋として、どちらがよろしいでしょうか?
①TOEIC用のテキストに絞って学習し、900をクリアした後英検1級のテキストに進む(→TOEICと英検では出題傾向が異なるため)
②英検1級のテキストを進めて、TOEIC試験前にはTOEIC用のテキストで傾向を確認する程度とする(→英語力自体の底上げを図るため)
因みに、英検は未受験ですが、TOEICは2年前の885がベストスコアです。まずはなんとか900超えしたいと考えております。
大雑把な質問で申し訳ございません。
気が向いたらで結構ですので、ご教示いただけるとうれしいです。
せっかくメッセージ頂いたのに、返信がとんでもなく遅れてしまいすみません。
結論を先に書きますと、①が良いと思います。
といいますのも、まずTOEIC受験経験があり、すでに900まですぐそばだということなので、とにかく900点越えられるまで何度でも受験する方が良いと思います。
そうすると、きっと「相性が良い」回に巡り会うと思います。で、910とか905とか、取れたりします。
でTOEICの勉強は一旦離れます。
というのも、英検とTOEICは、問われる英語力が全く異なるからです。
英検1級は、英検1級に固有の勉強をガリガリやる必要があります。で、1回で受かるのは相当難しいですので、くじけずに頑張り続けることが重要です。
ただ、英検1級が良いのは、英検は点数はつけられますが、バーを超えれば資格が取得できるので、私のようにほんとに5点位しかバーを超えてなくても、「英検1級」と言えることです。
TOEIC900超えていれば、英検1級狙う力は着いていると思いますので、是非お励み下さいませ。
レス遅とか全然問題ないです!!
返事いただけて感謝です。
どちらにしても、あきらめずに続ける、が重要ですね。
回答いただき、改めて肝に銘じました。
ところでこの「God speed you!」の回、いろいろな方のいろいろな視点が広がっていて、とても豊かなページですね。そのこと自体にいたく感動しています。
これからもブログ拝読させていただきます。
ご無沙汰しております
だいぶ時間がかかってしまったのですが、お知らせ頂いた通り数回連続でTOIEC受験しましたところ、念願の900超え(920取得)することができました。(あと模試も何度も解き、主にリスニングを伸ばしました)
これもyaozo100さまからのアドバイスのおかげと思い感謝しております。
現在は、英検1級の準備として「出る順パス単」を実施しておりますが、
何か合格への留意点やおススメ参考書などございましたらご教示いただけると助かります。
コロナ禍にあって上記のような英語学習ばかりに気が向いていて、音楽のほうには今一つ情熱が注げていないのですが、ブログは引き続き拝見させていただいております。
毎回勝手なお願いで申し訳ございません。
気が向いたらで結構ですので、ご返事いただけるとうれしいです。
戸山ハイツ様
いつもお便りありがとうございます(お便りってw)。
まずは戸山ハイツ様のご努力の成果として、TOEIC900点越え、おめでとうございます。
おそらくは、一般的な社会人、学生として、日本国内で過ごしている場合、
周りにTOEIC900点超えている人はほぼいないものかと想像されます。
私などは、地方の受験高出身なものなので、クラスメイト300名弱(ベビーブーマーか?)の半数以上が
国内の小・中・高の教師になるという感じなので、うち何割かは英語の教師も混ざっています。
同窓会であったときなどは、英語が好きだった過去のクラスメイトで英語教師になった友人や
同僚の英語教師の実態などを聞かせてもらったことがありますが、やはり英語教師といえども
TOEIC900点以上というのは、そう多くはないそうです。
いわんや、英検1級となると、ほぼ壊滅的で、判でついたように、何度か受検したあげく
最後は涙をこらえて諦める、ということらしいです。
なので、小山ハイツ様の英語学習に関して、どれくらいのバックグラウンドをお持ちかは存じ上げませんが、
というのも英語に関しては、「ド素人>英文科卒>仕事で英語を使う>帰国子女>バイリンガル」と言った感じで
英語潜在能力によって、特定の資格への必要努力値が大分異なってきますので。
たとえば、小山ハイツ様も、私同様、今風の言葉で言うところの「純ジャパ」だったとすると、
やはりTOEIC900点超えは、「盆と正月が一緒に来たような」くらいおめでたい事かと思います。
文面からは、純ジャパかと推察されますので、間違っていた場合を考慮せず、
私から、言わせていただきます。「おめでとうございます!!!!!」
というのも、これまた難しいのが、自分がTOEIC頑張ってて、900点超えしたとて、
その偉大な事実を、どういうタイミングで回りの方にアピールするのか?そしてそれを祝ってもらえるのか?
ということを考えた時、なかなか良い機会に恵まれません。
同僚の方とお昼かなんか行った際に、「実は私ね、こないだTOEIC受験して920点とったんすよ」なんて言っても、
相手によっては、どのように受け止められるかわかりませんもんね。
ということで、親兄弟、親友、勉強仲間、といった限られた方にしか祝ってもらえないんではないでしょうか?
ま、それで十分報われる、って感じではありますが。
長すぎる前置きはこれくらいにして。
英検1級は、総合力が問われるテストなので、まずはボキャビルは必須かと思います。準1級までとはレベルが異なってくるので。
ただ、誤解していただきたくないのですが、私は、問1の単語問題のためにボキャビルをやることをおススメしているのではありません。
というのは、ぶっちゃけ、問1の単語問題は、「最初に受験生を萎えさせて、心をへし折る」ことを目的にやっている節が見られるからです。
こんな単語は、英検1級合格者の本当にハイレベルな方々が回答すればいいわけです。
私の戦略は「初心者は、どんな点でも、なんでもいいから1級合格を目指すべき」というものです。
実際私も1次試験の1回目は、5点差かなんかで敗退していますが、二回目で最低点の10点プラスくらいで合格しています。
その差は、ほぼないに等しいんじゃないでしょうか?そりゃもっと良い点で合格するにこしたことありませんが、
まずは、最短で1級保持者になることが先決ではないでしょうか?その後、よりよい点で1級合格したい人は
すればいいかと思います。協会も一度合格したら一生資格は消えないので、リピーターを増やすために、
点数を細かく出して、「もっといい点で合格してみませんか」的なアピールに余念がありません。
たしか、とても良い点で合格すると、なんだか称号的なものが付与されるんじゃなかったでしたっけ?
ただ、そういうのは、もう趣味の世界ですよね。
仮に、私のように、中くらいの英語力を社会に示すための道具として英検1級をとらえている方であれば、
とにかく合格すればそれでいいように思います。
戻ります。
で、なんでボキャビルから始めるかというと、冒頭の単語問題対策ではなくて、その後の文章題の提示文章を
できるだけ高速に読解できるようにするための、ボキャビルということです。
細かくはあってませんが、たとえば漢字の勉強にあてはめた場合、「書ける文字数」を増やすのも結構ですが、
まずは「読める・わかる文字数」を増やす方が、何十倍も重要なのではないでしょうか?
実際、正確な意味がわかって読めさえすれば、パソコンがあれば正確な文章が書けますので、
自分で思い出して、漢字を書ける能力はだんだん不要になってきています。
まぁ、アナロジーとしては成立してませんが、そんな感じでボキャビルをとらえています。
なので、具体的な勉強法としては、とにかく、回数目にする、口にする、ということです。
よくある単語勉強法の「英文字を見て意味を即座に答える」という形式で勉強するはするのですが、
ここで「正解する」ことはそれほど重視していません。ここで一回、この単語と出会ったことがある、
そして、わからないので、悔しい思いをしたことがある、ということが重要かと思います。
次に重視したいのが、文法です。
これはもう、趣味の問題なので、何とも言い難いですが、英語文の構造を解明したい、という欲が
わかないとなかなか続けられませんので、まずは外国語である英語の構造について、
「一体またなんで、この人たちは、こういうことを言うのに、このような方法(語順で、単語で)言いたいのか?」といった
答えのない問に対して、しつこく考えて、考えて、考え抜くということが大事かと思います。
これ、結局ネイティブに聞いてもわからない(なんならよけいにわからない)ので、答えなんて出ないのですが、
そのような一見して意味のない行為に時間をかけて、浸る、ということが、その文法構造に体で慣れることに
つながるような気がしています。
で、そのような境地に至ると、速読がそこそこ可能になってきます。
もちろん、英語速読専門の方々のように、早く・難解な文章を理解できるようになるわけではありません。
あくまでも、小・中・高・大と教育を受けてきた日本人の仲間たちの大半よりは、早く読める、というレベルです。
英検1級が求めているのは、そのレベルです。少なくとも合格最低点すれすれ合格する私のようなものは
そういうレベルでOKでした。
ということで、ボキャビルと文法、というなんとも新味のない回答でお恥ずかしい限りですが、
実際、そんな感じです。
最後に、これはひとそれぞれ意見の分かれるとことですが、文章題の速読能力をあげるのに、
YouTubeやサブスクで見れる、「ドキュメンタリー・コンテンツ」を英語字幕にして追いかける、
というのをよくやります。これは今でもやります。
というのも、最近の若いナレーター、製作者のしゃべりのスピードは、老いたネイティブとは
比較にならないくらい早いです。これは日本も含めて、どの国も同じじゃないでしょうか?
世界中で、若いほど早口、という傾向があろうかと推測されます。
英語もやはり、新しいものほど、ナレーションが早いです。
特にニュースは激早ですね。
ニュースを字幕で、となると10分もすると集中力が途切れるので、
私は、自分の好きなジャンルのドキュメンタリー動画を英語字幕で見る、というのをトレーニング兼レジャーとして
楽しんでおります。
いまや動画コンテンツは世界中にあふれていますので、YouTubeは言うに及ばず、サブスク系のオリジナルドキュメンタリーなんて
演出も面白いですし、コンテンツも豊富ですので、飽きることがありません。
できれば、YouTubeは、プレミアムに加入してCMなしで使うことを大いにお勧めします。
そりゃ、NetflixだアマプラだHuluだって、いろいろ加入しているので、
せめてYouTubeくらいただで見れるんだから、と思う方も多いと思いますが、
振り返ってみるとわかりますが、いろんな有料サブスクチャンネルでの動画コンテンツの視聴時間より、
なんだかんだいってYouTubeの視聴時間の方が多くありませんか?
少なくとも私はそうですし、それに気づいた瞬間に、ああ公共放送に、毎年数万円払っていることを
考えるとYouTubeプレミアムは安い、安すぎる、ということで即刻加入しました。
CMから解放されるってとても気持ちがいい。
あるマーケッターの調査によると、同じネットメディアでも、「TVer」でCMが入るのはなんとか我慢できるが、
YouTubeのCMはほんとにむかつく、とのこと。
というのも、TVerはもともと地上波等で、CMが挟まるタイミングを計算した上で、わかりやすい分断タイミングを
作って、そこに番宣を主とするCMを流すので、スムーズだというんですね。
一方YouTubeは何分に1回、内容関係なしに、ブツッっとCM入りますので、違和感が半端ないとのこと。
これ、私はプレミアムに加入してから聞いた話ですが、なるほどそうだな、と強く膝をたたいたところです。
ということで、最後の勉強法として、ドキュメンタリーの視聴を大いにお勧めするところであります。
なんだか、時間がもったいないような気がするかもしれませんが、「急がば回れ」です。
人は、気持ちの良い体験の時ほど学習能率が高まるようにできてるんでしょうから、
なんだか、自分に全く興味がない、過去問の文章をねじり鉢巻きで百篇音読するよりは、
ドキュメンタリーをじっくりと見て、わからない表現があったら(そしてそれがわからないと大意がつかめないかもというのがあったら)、
一旦とめて、スマホで調べればいいんですね。
googleの音声検索も、入力音声を英語に変えておいて、自分で発音してみれば、発音の練習にもなります。
いかに自分の発音がうまくないか痛感させられますが、、、、。
ということですので、小山ハイツ様の英検1級の早期合格を願ってやみません。
不明点などあれば、またレスください。
なお、すごい長文になってしまいましたので、これ、少し抽象化して、ブログの一本に
するかもしれませんが、その際はご容赦くださいw
最近仕事多忙につき、全くブログ更新できておりませんで、小山ハイツ様からのレスによって、
こんだけ書く気になりましたので、大変感謝しております。
ありがとうございます。
やっぱり、なんのレスもなく、世界に対して、書きなぐっている行為はなかなかむなしいです。
事情が許せば、顔出ししてYouTubeでもやった方が、よほど楽しそうですが、「事情」が許しません。
小山ハイツ様からのご質問という体でなく書きますので。
もちろん、ここで回答している以上、小山ハイツ様のペンネームは出ているので
その点あまり気にされないかと思いますが、念のため。
こちらから返信しましたが反映されない?みたいなので、最新のブログ「英検1級合格のための私的勉強法(回顧的に)」の方にコメントさせていただきます
お返事頂いたのに、なんだかすみません。
また、2件のお便りも拝読しました。いつもありがとうございます。
今スマホで見てますので、時間作ってパソコンで改めてお返事します。
はじめまして。自分は「GOD SPEED」がカッコイイ言葉だな、と思って、ふと思い立って検索してみました。映画「ストリート・オブ・ファイアー」のライブシーンのサビで「GOD SPEED…」とリフレインしています。またロレックスの時計で「speed king」というモデルがあり、 SPEEDに「速度」以外の意味があるのかな?と調べた事もあります。で、こちらのブログ以外にもいろいろ訪ね歩いたところ、件の「GOD SPEED」の出典は「聖書」のようです。日本語訳のものには省かれて載っていないのですが、英語と日本語訳と併記されているものには載っているようです。ただしこの本でも訳からはスッパリ抜け落ちていて、2000年前にどのような意味で使われていた言葉なのか、よくわかりません…うーん、ミステリアス!
なるほど聖書まで行きましたか。なかなか奥の深いワードですね。
ますます興味が湧いてきました。
暴走族とポストロックに、聖書が加わり、カラフルで歴史的な単語と認識でしますね。
素晴らしいヒントを頂き、ありがとうございます!
早速のご返答ありがとうございます!
奥が深いしミステリアスで、コトバのカッコよさと併せて中二心をめちゃくちゃ刺激します…(笑)。何でも聖書にはパワーがあり過ぎる為にバチカンが削除したコトバがあるとか何とか。それってこのワードでは!?と妄想してみたり(笑)。
GOD SPEEDはバイク用の革ジャンのブランド?にもなっているようですね。やっぱりスピードとバイクって結び付きやすいんですね!
ではでは。
英語学習お励みください。相応の努力をすれば、いまの実に鑑みると、きっとゴールを達成できると信じています。
これからも、お付き合い頂けると嬉しいです。
いつもありがとうございます!!
革ジャンのブランドにまでですか。それは、この映画のタイトルの影響かもですね。
しかし、勝手な思い込みをしてないで、ちゃんと調べる事の大切さをつくづく思い知らされたワードでした。
バチカンが削除した言葉なんて、わくわくしますねー。そんなの1番の大好物ですよ。厨2病なんて言葉のなかった45年ほど前に、中2だった私もわくわくしたはずです。ふむふむ、、、。
そうそう、一番最初に「GOD SPEED」というコトバを知ったのはこの革ジャンからで、この革ジャンをプロデュースした佐藤シンヤ氏は、ストリートオブファイアーから着想を得たとインタビューで語ってました。やはりカッコイイからブランド名にしたと(笑)。
そうそう中二全開ですが(笑)何でも「聖書の真の力」を一般に知られると自分たちが支配できなくなるとか…これだけでラノベ書けちゃいますね(笑)。
ストリートオブファイヤ、プリティインピンク、セントエルモスファイヤ、フットルース、ブレックファーストクラブ、などなど、80年代の青春映画が大ブームでした。もちろん私も全部見ました。
サトウ氏も私と同年代でしょうか。
ロブロウは今どこに。
言霊の力はゆめゆめ疎かにできませんね。確かに
トム ハンクスの映画 グレイハウンド の台詞が印象的で忘れ難いです。
海外の方に、god speedと最後に贈りましたら
とっても喜ばれた気がします。
素敵なhpを拝見し、感謝。
拝
しんたろ様
海外の方(英語ネイティブでしょうかね?)に、実際に使われたのですね。
しかも、”god speed”なんて、最後の”you”を言わない感じが、
いかにも、”Best”とか”Best Regards”みたいな、最後の「結語」っぽくて感じが出てますねぇ。
日本人は、ほぼ100%上の2つか、”Kind Regars”ちょっと親しいと”yours”系に終始するでしょうから、
なんか目新しく映って、かっこいいのでは?などと思ったりしますw
私も今後英語のメールなんかの結びに使ってみようかと思いますー。
ありがとうございます。